真の生産性について考える

Ia ora na!
今日は、生産性についてです。

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生産性というと、月産何台とか、1台あたりの生産時間の短縮といった、量や時間で考えるのが一般的。今より頑張って、よりたくさん作れば生産性が上がる。そして、そこから生産性は製造現場の課題と考えがちです。
これは確かに正しいと言えますが、反面、これだけでは不十分です。いや、生産性でまず考えなければならないのは、実は、別のことなのです。
それは何か?

生産性の公式は、生産性=産出÷投入。
「どれだけ投入して、どれだけ産出できたか?」
これまでの一般的な見方は、分母の「投入」の視点。どれだけの量や時間を投入したか?
この公式から、確かに生産性の向上は分母を小さくすることで実現できます。量や時間を減らす活動が中心となります。
しかし、生産性で重要なのは、実は分子である「産出」の視点。
具体的には粗利(MQ)視点で考えることが大切で、分子を大きくすることなのです。MQが上がれば、同じ労働量や労働時間でも生産性は上がります。

昔のような少品種多量生産時代であれば、がむしゃらに働いて(分母を下げて)生産性を上げるという発想でもよかったかもしれませんが、現代は、多品種少量生産の時代。現場もおのずと手間や難易度が増えています。そのため、昔ほど改善にかけたエネルギーの割には効果が表れにくい状況です。
MQが下がっているところを、改善で労働量や労働時間を切り詰めて何とかしようとしても、それには限界があります。そもそも発想が違います。
そうではなくて、既存のリソース(労働量や労働時間)を使って、『どうMQを増やすか?』これこそが、真の生産性の考え方です。第一にMQアップなのです。

TOC(制約理論)でも、市場制約と物理的制約という考え方があります。
需要>供給であれば、物理的制約で分母の効率を上げる
需要<供給であれば、市場制約で分子の効果を上げる
自社がどちらの局面かを見極めた上で、作戦を考えます。分母と分子のバランスが重要です。

それでは、どうやってMQを上げていくか?
これは、完全に戦略の問題、経営の意思決定の問題です。市場戦略、商品開発戦略です。
「どのマーケットを選ぶのか」
「どう研究開発を進めるのか」
生産性は、現場だけの課題ではなく、むしろ経営課題である。この認識が大事。
究極の話、どんなに頑張っても分母は0にはなりませんが、分子は無限大です。
特に、中小企業はMQ視点で生産性を上げる発想が必要となります。

「生産性アップは、MQアップが先、現場改善が後」

それではまた。
Mauruuru