バランスをとるって、どういうこと?

Ia ora na!
今日は、「バランス」について。
ラインバランス、在庫バランス、収支バランス、経営資源のバランス・・・
いろいろなところで「バランス」ということが言われますが、間違ったバランスはかえって逆効果になります。
それはどういうことかと言うと・・・

f:id:ko-manage:20200811214939p:plain

経営資源(人、物、金、時間)をどのように組み合わせていくか?
このバランスを重視することは大切ですが、短期視点で考えるか長期視点で考えるかで意思決定がまったく変わります。
例えば、事業を強化するために人を採用したり、教育訓練すると、F1(人件費)はMQ(限界利益)よりも先行して増加します。PL(損益計算書)上は利益が減り、利益率が悪化します。
また、設備投資等を積極的に進めると、PL上では減価償却費が増え、BS(貸借対照表)上では固定比率(固定資産÷自己資本)が悪化します。
それを恐れて、採用や教育、設備投資をしないという意思決定がなされてしまうことが日常起こっています。
確かに一時的には経営数値、指標は悪化しますが、長期的には必要なこと。
バランスを重視することは重要ですが、短期的なバランスばかりを気にすると何もできなくなります。
特に、経営分析等を重視する専門家が陥りやすい現象であり、そのアドバイスを受けている経営者は迷います。

大切なのは、長期的なバランスを取ること。
長期的なバランスを見て、問題がなければ短期的なアンバランスはあまり重視しなくてもいいのです。投資と効果は同時には起こりません。投資が先であり、そこには時間差が生じます。

ただし、注意しなければならない資源もあります。それは、”金”です。資金繰りは、常に短期でも収支バランスを取らなければ会社が危険な状態に陥ります。

また、重点思考、集中戦略を取れば、事業間でアンバランスが生じます。経営資源を重点事業に多く配分・投下することで、非重点事業が手薄になります。非重点部門からは文句も出ます。しかし、経営資源は有限であり、これも仕方がないこと。アンバランスを承知で、経営者は意思決定をしなければなりません(逆に、バランスを取るだけであれば、意思決定する必要はない)。そのアンバランスを、計画的に将来的にバランスさせるために、どこに集中するか?が大事です。

さらに、オペレーションのバランス、生産工程のバランスの考え方も重要です。多くの場合、工程ごとのキャパシティー、設備能力のバランスを取ることを目指しますが、それは倒産に向かいます。取るべきバランスは、需要スピード、需要の流れにバランスさせること。
この点についてはTOCセミナーで詳しくお伝えしていますので、今回は割愛します。

このようにバランスを取ると一言で言っても、考え方を間違えると逆効果になってしまいます。
これら全てを見えるようにする方法はないのか?
それは経営計画を作ることです。
ぜひ経営計画を作ってください。全体のバランスを把握できるようになります。

「短期よりも長期のバランスを!」
「能力よりも流れのバランスを!」
「資金だけは常にバランスを!」

それではまた。
Mauruuru