日本経済のボトルネックは、実は方針制約にあり!?

Ia ora na!
前回お伝えした「今の日本経済のボトルネックは市場制約」ですが、なぜこのような状態が20年以上も続いてしまうのでしょうか?
実は、間違った考え、常識がそうさせてしまうのです。
間違った常識とは、一体なんなのか?

「需要不足/供給過剰」のデフレでは、政府が自らお金を使って需要を増やさなければなりませんが、それができないのです。
なぜなら、「プライマリー・バランス(PB)の黒字化」という考え方があるからです。
プライマリー・バランスとは基礎的財政収支、税収・税外収入と国債費を除く歳出との収支のこと。
簡単に言えば「政府は、税収の範囲で支出する」というものです。
「財政健全化」のため、支出を切り詰め、税収を増やす。
果たして、この考えは正しいのでしょうか?

MGをやると、次のことを学びます。
F(固定費)をかけないとMQ(付加価値)が増えない。それも、FをかけたからといってすぐにMQが増えるわけではなく、F→→→MQといった時間差で変化する。
そこから、収支バランスを短期(1年)で考えるのではなく、中長期(3〜5年)で考えることの重要さを知ります。
同じように、プライマリー・バランスも短期(1年)で考えるべきではなく、長期で考えるべきなのです。
それを支出を切り詰め税収を増やすといった単年度の指標(黒字化)で見ることは、まさにコストダウンの思考!!
これは一見正しいように感じますが、デフレ下で民間がお金を使えない最中、国までもが切り詰めたら需要は絶対増えません。それどころか、消費増税等で税収も増やそうとすれば、民間の消費・投資は一層冷え込んでしまいます。消費・投資が冷え込めば、税収は減ってしまう。だから、さらに切り詰めと増税で・・・負のスパイラルに陥っているのです。
前回お話しした通り、デフレ化で行うべき政策とは真逆のことをしてしまっているのです。
その結果が以下の通りです。

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2019年10月の消費税増税により、コロナ禍になる前に、すでに日本は大幅な景気悪化に陥ってしまいました。

まずはF(財政支出拡大、減税など)をかけるべき。そうすれば時間差でMQ(税収)が増してきます。
そもそも国の経済運営を企業経営のように考えるべきものなのでしょうか?
企業経営と国の経済運営とは、全く違います。別物です。そこを混同してしまうため、「単年度でも赤字はいけない」と感じて、プライマリー・バランス黒字化を正しいと考えてしまっているのです。
国の場合、企業と違い、長期政策の時間軸は50-100年で考えるべきだと思います。

「プライマリー・バランスの黒字化」という間違った方針制約。
TOCの中で、一番厄介なボトルネックはこの方針制約です。
なぜなら、それは人の頭の中に存在し、目に見えないものだから。そして、人の行動を決める基準だから。

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私たちはもっと政治や経済に意識を向けなければなりません。
どういった考え、方針、基準で政策が決まっているのか?
今の問題に対して適切な政策なのか?
自分たちの国、子どもたち次世代の未来の舵取りを、思考停止状態、依存意識で済ませてはいけないと強く感じました。

「間違った常識に捉われていないか?」

それではまた。
Mauruuru