外注比率と利益率の関係

Ia ora na!
先日のうどん県MGの講義でお話した「外注比率と利益率の関係」について、復習を兼ねて書きたいと思います。

中小企業の経営者から、下記のようなお話をよく聞きます。
「収益性をよくし、利益率を上げるために、できるだけ内製化に切り換えていきたい」
「こんなにも多額の外注費を払っている。一番の合理化は、外注品の内製化だ」
「小島さんは外注に出せというが、なぜ外注を儲けさせなければならないのか?もったいない」
このように、外注することが自社の収益性を落とし、ひいては利益を減少させることだという根強い考えがあります。

これは、完全に感覚、感情での意思決定です。
会社の損益が外注によってどう変わるかという計算もせず(もしくは計算方法がわからず)、原価とか、利益率とか、外注費というように、点で考えてしまっています。

正しい考え方、それは点でなく全体。
会社の損益は、常に「会社全体で考える」のが正しいのです。

具体例で見てみましょう。

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PQ100増加分を全て外注で対応した場合、
増分収益に対する外注費80%とするとm%は20%、合計ではm%30.7%と現状より0.7ポイント悪化します。
が、経常利益G率を見てみると、合計で5.7%と現状より0.7ポイント上昇します。
外注分のm%は低くても、増分Fが少ないため、経常利益G率は上昇するのです。
もしも、全部社内生産していたら、設備投資と増員が必要となり、その結果、F増加により損益分岐点売上高が大幅に上昇するデメリットが発生します。
外注ならば損益分岐点はごくわずかしか上昇しないため、リスクもごくわずかで済むのです。

多くの経営者は、上記のように、外注によるm%の悪化が会社全体のm%を落とすことのみを考えて、これが経常利益G率を落とすと勘違いしています。
部分のみを考えて全体を見落としてしまっているのです。
大事なのは、率よりも額です。

さらに、外注活用は、財務的な数字だけでなく、経営にとって2つの大きなメリットがあります。
 ひとつは、マーケットシェアの拡大
 ひとつは、景気や季節変動への抵抗力
要は、経営基盤を強化することにつながるのです。
もっと積極的に、もっと戦略的に外注を活用しましょう。

率よりも額!!
「率を守って額を落としてしまっていませんか?」

それではまた。
Mauruuru