リキッド消費という潮流

Ia ora na!
昨日の続きで、リキッド消費について。

リキッド消費には、3つの特徴があります。
・短命で
・アクセス・ベースで
・脱物質的

短命とは、
その場その場に応じて、次から次へとテンポよく楽しむ消費。ある場面で感じた価値が、別の場面では感じられなくなることで、価値の有効期限は短くなります。

アクセス・ベース消費とは、
物を購入して所有するのではなく、一時的にアクセスして経験を得る(そしてその経験に対して対価を支払う)消費のこと。
「何を買うか」ではなく、「どのように買うか」の問題です。
レンタル、シェアリング、サブスクリプションなどですね。
これにより、人々は自分が持っているものに縛られず、いろいろな物を楽しむことが可能になります。

脱物質とは、
同じ水準の機能を得るために、物質をより少なくしか使用しない、あるいは全く使用しないこと。
有形財がサービス財に置き換えられたり、デジタル製品や情報製品(ソフトウェアなど)が普及しているのがそれです。

これらの特徴から、以下のような消費者像が見えてきます。
・特定のブランドにこだわらず、「役に立つ」「コストパフォーマンスが高い」ことを重視して、簡単にブランドをスイッチする。
・自分で所有しなくても必要な時に使えれば良いと判断し、レンタルやシェアで十分だと考える。
・製品やサービスがアップデートされていくことを好む。
SNSなどを介した「つかづはなれず」の関係を好み、他者との関係に深入りしすぎることを避ける。
・コミュニティでは、有意義な発言や価値ある関係が重視されるようになる。

「移り気」で「気まぐれ」な消費者の実態が見えてきますね。

リキッド消費という潮流を整理してきましたが、重要なことは、リキッド消費はソリッド消費を淘汰するものではないということです。リキッド消費とソリッド消費は、明確に2つに分けられるものではなく、それぞれを極とした連続体( スペクトラム)として存在するもの。
また、一人の消費者の中にリキッド消費的な行動とソリッド消費的な行動が混在することもあります。
ここから、リキッド消費という概念を、消費スタイルのシフトではなく拡張だと理解することが極めて重要となります。

「買うもの(何を買うか?)」から「買い方(どう買うか?)」へ。
この消費スタイルの拡張を、自社としてどう受け入れていくか?ぜひ考えてみてください。

「リキッド消費という消費スタイルを、自社としてどう受け入れていきますか?」

それではまた。
Mauruuru

(参考文献:青山学院大学久保田研究室のHP「リキッド消費」)