人材待望論の誤り

Ia ora na!
中小企業経営者の中に、「人材待望論」というものが根強くあります。
お客様と打ち合わせをしていると、ほんとよく耳にします。
そして、求人・転職エージェントやヘッドハンティング会社に多くの投資をしていますが、結果は・・・。
私は、この考えを捨てることが大事だと思っています。

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人材待望論とは何か?
経営課題に対して、自分が望む人材(スーパーマン)がどこかにいて、採用すればそれで達成できるという考えです。
特に、製造業の職人気質な経営者は営業人材を待望し、技術系の経営者は技術人材を待望しています。
売上を上げるには、能力の高いセールスマンを他から連れてきて、採用すればいいと安易に考えている。
技術開発についても同じ。能力の高い技術者を他から連れてきて、採用できると考えている。
営業も技術も、社長が望む通りの人材がどこかにいて、自社に必ず入ってくれると思っています。

はっきり言います。
そんなセールスマンや技術者は、どこにもいません。
もしいたとしても、すでにどこかの会社の重要なポストについているか、会社を飛び出して独立して自分でビジネスをやっています。
「人材待望論」は完全な天動説。全てが自社を中心にして回っていると考えているのです。

なぜこのような考えになるのでしょうか?
その背景を見てみると、共通点が浮かんできます。
職人気質の経営者は、現場人間。ものづくり、現場は得意なのですが、“売る”ことをしたことがありません。
また、「良いものを作れは黙っていても売れる」という、典型的なプロダクトアウト思考が無意識にあり、営業に対しての意識が希薄な傾向があります。
技術系の経営者も同じで、現場人間。社長自ら現場で開発・設計をやっています。事業が拡大し仕事量が増えると、手が足りなくなり、技術者の採用に動きますが、その際、技術者全てに、自分と同レベル、即戦力を求めてしまいがち。入ってくる人材とのギャップが埋まらず、定着率の低下、慢性的な人手不足(量ではなく質の不足)を感じています。
また、ブランド志向が強く、大手出身という肩書きに弱いという共通点もあります。
しかし、採用するも、大手と中小企業の仕事の進め方や業務領域の違いなどが発覚し、経営者も中途採用者もあまりのギャップにうまくいかないことが多々あります。
現場視点が強く、会社全体の経営課題を冷静に見ることができておらず、安直な解決策を取ってしまっています。

人材待望論は幻想であり、安易な考えです。
まずは、人材待望論を捨てなければなりません。
その上で、行動を変えなければなりません。無い物ねだりをやめ、業者頼みから自ら行動していかなければなりません。
「社長自ら営業し、社内で人材を育てていく」
この地道な行動が重要なのです。
それは大変なことです。
しかし、それを実行しているお客様を、私はそばで見てきています。
そして、そのすべての会社がその後大きく成長・発展し続けているという事実を知っています。
ぜひ、人材待望論という方針制約を取っ払いましょう!!

「人材待望論に陥っていませんか?」

それではまた。
Mauruuru

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