まとめて作ることの罪(1)

Ia ora na!
笑えない本当の話。製造業でよく見る光景です。
「製造ロットを増やして、まとめて作って売価を値下げする」という手法。
数ヶ月で売り切れるならまだしも、ひどい場合は何年分も平気で製造しているところも…。
営業がよくやる手口ですが、これって何のため?儲かるのでしょうか?

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この行為、会社にとってマイナスしかありません。
・(前回のブログのテーマ)限られた製造能力の範囲内でどう収益を上げるか?を必死で考えなければならないのに、売れないものを作ってその貴重な能力を食い潰してしまう。

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・当然、製造リードタイムがどんどん長くなってしまい、競争力が低下する。
・製造能力を超えてしまうと製造ができなくなる。すると、営業と製造が険悪のムード。
営業:「うちの製造部門はすぐに弱音を吐く。自社の都合でものを考える。営業がせっかく苦労して取ってきた受注を何だと思っているのか?他社ではできているのに」
製造:「売れないで倉庫に眠らせておくものを、何で無理して作らなければならないのか?もっと売れるものを取ってこい」
・製造が「どうせ売れないのだから」と勝手に生産調整をし始める始末。
・売れないものを在庫する在庫スペースのムダ、在庫管理のムダも発生。ひどい場合は、自社で置き切れず、外部倉庫を借りているところも。
・長年放置の在庫。ホコリを被り経年劣化して品質が低下、出荷時に選別の手間が発生。
・お客様の仕様変更が発生して、在庫したものが使えないなんてことも!在庫責任がはっきりせず、社内には強いくせに社外には弱腰の営業がさらに値下げして引き取ってもらうか、最後は泣き寝入り。
・こんな状況なのに、「我が社の強みは在庫を持てること」と大真面目に言っている。

どうでしょうか?
儲かる要素ありますか?ひとつもありませんよね。
「こんなバカげたこと、本当にあるの?」と思われるかもしれませんが、実際に私の周りで起こっていた実話なのです。
これでは、一向に経営改善は進みません。

なぜ、こんなことが起こってしまうのか?
冷静に考えればあり得ないおかしなことも、会社、組織に入ってしまうと起きてしまう。
次回、その原因について書きたいと思います。

それではまた。
Mauruuru

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