そのM&A、本当にいいんですか?

Ia ora na!
先日ご相談を受けた企業のお話。
金融機関に勧められて、M&A案件を検討しているとのこと。それも別々の金融機関から1案件ずつ、同時に2案件も!?
お話を聞くと、そのM&A本当にいいのか?疑問符がつきました。
それはどうしてかというと・・・

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この企業の経営課題に対して、M&Aが解決策にはならないと感じたからです。
M&Aが目的化しており、肝心の本業の経営戦略がはっきりしていない状況でした。
「安いから」といった判断基準と、自社の事業に関連がありそう?という感覚で動いており、大きな不安を感じずにはいられませんでした。

M&A(合併・買収)は、昨今とても注目され、M&A市場は活況を呈しています。
菅政権の後押し、マッチングプラットフォームなどの台頭により、1億円未満の小さな案件(スモールM&A)でもスピーディーに成立できるようになり、中小企業にとっても現実的な選択肢になってきています。
件数も大きく伸びています。

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バトンズHPより引用(20210309時点)


しかし、スモールM&Aだからといって、安易に考えてはいけません。
買収候補先の会社を評価するDD(デューデリジェンス)は欠かせません。
前述の相談企業では、財務DD(デューデリジェンス)は行うものの、買収先のビジネスモデルや顧客構成、組織の特徴といった事業DDがほとんど行われていない様子でした。

会社を買うために必要なものが3つあります。
1.戦略:M&Aは手段、本業の経営戦略があって初めて役立つもの
2.資金:買収資金だけでなく、買収後の運転資金、設備資金が必要
3.人材:財務、法務、労務、ビジネスの専門家、送り込む人材

特に、戦略が大事。「その戦略を実現するためにM&Aが必要なのか?」
また、「買収してからがM&Aの始まり」でもあります。誰を送り込むのか?どう組織を融合し、経営統合していくのか?一緒になってシナジー(相乗効果)をどう発揮していくのか?…そこまで考えて意思決定をする必要があります。
「戦略が先、M&Aが後」なのです。

コロナ禍で中小企業を取り巻く環境変化のスピードは、これまで以上に速くなっています。
それに対応するために、時間を買えるM&Aはとても有効な手段です。
だからこそ、戦略が大事。
中小企業がM&Aで会社を買う最大の理由、それは、マーケットの確保だと考えています。
既存事業のマーケットが縮小する中、どうやってマーケットを確保していくか?その視点、戦略があってのM&Aという選択肢。
ぜひブームではなく、自社の戦略的意思決定としてM&Aを考えてみてください。
でないと、お金を払って、大変なものを背負い込むことになってしまいます。

「そのM&A、戦略がありますか?マーケットの確保になっていますか?」

それではまた。
Mauruuru

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