バッファーとムダの境目

Ia ora na!
TOC(制約理論)で重要となるのがバッファー。
バッファーとは、緩衝のこと。様々なトラブルから保護するための余裕ですね。
プロセスでうまく流れを作るために、このバッファーをどう設定し確保するか?
このことが肝となります。

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主なバッファーとしては、在庫(モノ)やリードタイム(時間)があります。
とても重要な役目を果たすバッファーですが、ややもすると「ムダ」と言われてしまうことも・・・。
その境目はどこにあるのでしょうか?

在庫が多すぎると、投資(お金)がかかって、リードタイムも長くなります。
しかし、在庫が少なすぎると、ボトルネックを止めてしまうリスクがあり、生産性が低下してしまいます。
リードタイム(時間)が短すぎると、現場はドタバタし、トラブルに対して脆弱になります。
しかし、リードタイム(時間)が長すぎると、早めに投入することで現場には仕掛かりが増加、優先順位が乱れていきます。
このように、バッファー(在庫やリードタイム)設定が大きくても小さくても、管理は難しくなります。
バッファーが小さい場合は「ムリ」が発生し、バッファーが大きい場合は「ムダ」が発生するのです。

このことから、「バッファーが大きくもなく小さくもない適正な状態の時に、安定して流れ、管理がしやすくなり、結果、リードタイムが短くなる」ということがわかります。
適正なバッファーとは、大きすぎず小さすぎず、バランスの取れたちょうどいいサイズのことです。

これって、何となくわかりますが、難しいですよね。
「バランスの取れたちょうどいいサイズって、実際にどうやって求めるの?」
計算式があるわけではありません。
実際には、(変化する)自分たちの現場の状況を見て適正量を判断していきます。
TOCセミナーで行う#5ゲームのように、です。
そのためには、常に現場の状況が見える化されている必要があります。

バッファーを設定する手順を整理すると、
①プロセスのペースを決める(ピッチを刻む)
②バッファーをどこに設定するかを決める
③バッファーのサイズ(量、長さ)を決める
④アラーム基準(カラー管理)とアクションを決める
⑤現場の状況を見ながら、バッファーサイズを変えていく

このことを理解せずに、単純に在庫削減をしたり、ロットを大きくしてまとめて作ったり、短納期の注文をどんどん投入したり、先納期の注文を早く投入して途中で止めたり・・・中小企業の現場で日常よく見る光景ですが、良かれと思って行ったこれらのことが、逆に管理を難しくして、納期遅れを多発させてしまいます。
特に、人は保険をかけてサバ読みをしやすく、バッファーとムダの境目は難しいところです。注意しましょう。

それではまた。
Mauruuru

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