市場地位別マーケティング チャレンジャーにも2パターンある

Ia ora na!
前回の続きで、今回はチャレンジャーの戦略について。

リーダーは、シェア1位の会社。
チャレンジャーは、シェア2位以下で、リーダーを狙える市場シェア・経営資源を持つ会社。
ニッチャーは、トップを狙えるような規模にはないものの、独自の生存領域を明確に持っている会社。
フォロワーは、低価格帯や地方などマージンの薄いセグメントを追求する会社。

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このチャレンジャー、実は2パターンに分かれるんです。
ひとつは攻撃的チャレンジャー、もうひとつは共生的チャレンジャー
チャレンジャーは、この2つの選択肢のどちらにするか?まず決める必要があります。

その意思決定は、市場のライフサイクルによっても影響を受けます。
成熟期に入って間もない時期であれば、需要の安定時期がまだ長く続くと期待できるため、市場シェア争奪に果敢に仕掛ける。
逆に、成熟後期から衰退期に入っている場合には、もはや市場の伸びが期待できないため無理して市場シェアを奪ってもメリットがなく、現在の市場から得られる利潤を最大化するため、リーダーと平和的に棲み分けて業界全体を安定させていく。

MG(マネジメントゲーム)の入札でもありますよね。
リーダーに果敢に入札を挑む攻撃的チャレンジャーもいれば、平和的に棲み分けする共生的チャレンジャーもいます。置かれている環境によって選択が変わりますね。

多くの業界が成熟期にある日本経済では、攻撃的かそれとも共生的か、どちらを選ぶかの意思決定がますます重要になります。

自社よりも経営資源の少ない下位企業からシェアを奪うのも方法のひとつです。
しかし、現実には、下位企業の顧客数は少なく、しかもあまり魅力的でない顧客(安い製品しか買わない割には文句ばかり言う)の場合が多いです。
したがって、リーダーからシェアを奪うことを考えることが必要です。

リーダーと比べて経営資源が豊富ではないチャレンジャー。
リーダーからシェアを奪うには、差別化が重要となります。
差別化は、リーダーが同質化行動を取りにくいものでなければなりません。でないと、すぐにマネされてしまいます。
そのためには、次の2つのパターンが考えられます。
①リーダーの持っていない経営資源を利用する
②リーダーが同質化を行えない内部事情を利用する

①はイメージできると思いますが、②はどういうことでしょうか?
例としては、シャンプー市場を挙げたいと思います。
数年前にブームとなったノンシリコンシャンプー
新興企業が台頭していましたよね。
当時、大手メーカーはなかなかこのノンシリコンの商品を出すことができませんでした。
なぜなら、自社がノンシリコンの商品を出すことで、既存の主力市場であるシリコンシャンプーを自ら否定することとなり、シェアを落としてしまう恐れがあったからです。
だから同質化できなかったのです。

このように、リーダーと戦う場合、軸をズラす、新機軸を作ることで差別化できると、リーダーは経営資源が優っていてもなかなか手が出せません。
内部事情を利用するという切り口、面白いですよね。
ぜひあなたの業界でも考えてみてください。

次回は、攻撃的、共生的それぞれの戦略定石を整理したいと思います。

それではまた。
Mauruuru

(参考文献:わかりやすいマーケティング戦略 沼上 幹著)

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