「それは変動費では?」問題はそこじゃない!!

Ia ora na!
あるクライアントの経営会議での出来事。
私が月次収益について状況報告していた時、同席していた金融機関の方から、
「先生、それは変動費ではないのですか?」との質問が出ました。
「キター!」と、私は心の中で叫びました。よくある光景だからです。そして続けて、
「問題はそこじゃないんですよ!!」と、これまた心の中で叫びました(笑)。

会計を勉強した人や専門家が陥る罠。そのひとつが、この「固変分解」。
費用を固定費と変動費に分ける作業のことですが、これを仔細に分類しようとするのです。
実際、教科書には、固定費、変動費だけでなく、準固定費、準変動費なるものまで出てきたり、分類する方法が①個別費用法(勘定科目法)、②総費用法(二期間比較法)、③数期間法(スキャッターグラフ法)、④最小二乗法、⑤混合法と何種類もあったり、異常なほど細かく精密に分類しようとします。

私も当初はそうでした。
「これはどっちに入れるべきか?」
「もっと精度を上げるためにはどうすればよいか?」
「細かく管理してデータを分けられないか?」
精度を上げることが重要と考えていました。
しかし、今ではまったく気にしていません。なぜか?
長年クライアントと一緒に現場に立ってコンサル経験して、現場では無意味なことであり、問題はそこじゃないと分かったからです。

理由は2つ。
①教科書に載っている固変分解はどれも「過去こうだった」という過去の数字を分析するためのものであり、いくらその精度を上げてもあまり意味がない。経営にとって一番大切な「これからどうするか?」未来に対する意思決定には全く使えない。実用性がない。
②固変分解の争点の領域はそもそも数%の話。意思決定で誤りを起こさない程度…95%の精度(2σ)。5%のエラーは許容範囲である。実務では固定費を多くする分、損益分岐点比率は実際よりも高くなり、安全サイドに振れるので問題ない。

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そこにエネルギーを注ぐよりも、早く数字をつかみ、先を読むことに注力する方が何十倍も何百倍も重要なのです。

「精密度よりも信頼度、実用性」
「過去よりも未来」


「先を読むため、早い意思決定のために何が必要か?」
目的から考えれば、全然必要のない論点であり、逆に弊害になっている。
このように、実務から離れるとどうしても部分最適に陥りがち、重箱の隅をつつくようになりますね。こういうことって、他にもたくさんありそうです。
常に現場目線で目的を考えることが大事ですね。

それではまた。
Mauruuru

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