設備投資の負の側面

Ia ora na!
昨今、ものづくり補助金とか事業再構築補助金とか、たくさんの補助金がありますね。
このこと自体は長年のデフレからの脱却のために政治施策として必要なことなのですが、補助を受ける中小企業は、単に生産能力増強のための設備投資というレベルで考えてはいけません。
今回は、設備投資の負の側面について考えてみたいと思います。

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設備投資の負の側面は3つあります。
1.設備資金の金利(F3)、減価償却費(F5)、維持費(F2)などの増加、設備を扱う人の人件費(F1)などの固定費増加により、損益分岐点が上昇する。
2.設備資金の返済により資金繰りが圧迫される。特に、今のような不況による売上減少時などは影響が大きくなる。
3.これが最も重大なマイナス面なのですが、変化に対応する機動力と弾力性がなくなっていく

補助金で、設備投資資金の一部を補助してもらっても、上記3つの負の側面は残ります。
仕事が順調に入り、設備が常に動いている時は確かに武器になります。負の側面も気になりません。しかし、設備が動かなくなると、これ程始末の悪いものはありません。
そして、そのリスクは社内の問題ではなく、常に外部にあります。
同じものをずーっと作り続けるのであれば、こんな悩みや問題は発生しません。しかし、市場は常に変化します。お客様の好み、得意先の方針、商品の陳腐化などなど。その時、リスクの度合いは、専用機、専用ライン、自前主義、得意先依存、下請企業ほど大きなものとなります。
ここで共通する経営者の考えは、「現在の状態はこれからもずっと続く」との思い込み、幻想です。そんなことは絶対にあり得ません!
逆に変化が激しい昨今、設備投資のリスクは、ますます大きくなっていくと思われます。

では、どう考えるべきか?

国が提唱しているように、経営革新につながる設備投資を考えるべきです。
「経営革新」とは何か?
①新商品の開発または生産
②新役務の開発または提供
③商品の新たな生産または販売方式の導入
④役務の新たな提供方式の導入、その他の新たな事業活動
経営革新とは、事業者がこれらの新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ることです。

さらに究極のビジネスモデル、理想的な経営構造の一つが「ファブレス」、「工場を持たない製造業」という形です。
代表例は、アップル、任天堂キーエンス
ご存知の通り、どこも「超」がつく高収益のメーカーです。
設備をほとんど持たず、自らは強い営業力と優れた事業開発力を兼ね備えた「頭脳集団」。設備投資のリスクがなく、損益分岐点も上がらず、変化に対応する機動力と弾力性を常に持ち続ける、最強のビジネスモデルです。

製造業で大切なことは、社内生産能力ではなく、外注含めた総合的な供給能力という考え方を持つこと。同時に、何よりも高い収益性を持った事業、商品を開発しなければならないということ。そう、研究開発(青チップ)が一番大事。
この視点で設備投資を考えなければなりません。

それではまた。
Mauruuru

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