損益計算書は、経営の意思決定に使えない!!!

Ia ora na!

 

長雨から一転、昨日、香川県は34度の真夏日でした。今日は35度以上の猛暑日だそうです。スーツがしんどい。

 

今日は、「損益計算書は、経営の意思決定に使えない!!!」です。

 

とある中小企業A社での経営会議でのこと。

営業担当:「社長、たいへんです。売上が思うように伸びていません。このままでいくと売上が前期比10%ダウンで着地する見込みです」

社長:「それは困った。やはり消費税アップで景気が悪くなったことが響いているな。営業は最後まであきらめずに頑張ってくれ。しかし、売上が10%ダウンすると、利益はどうなる?借入の返済負担も大きいし…。前期の損益計算書をもとに、計算しておこう」

(前期損益計算書

 売上   300百万円

 原価   200百万円

 粗利   100百万円

 販管費    80百万円

 経常利益   20百万円

※前期と今期で販管費に変化がないものとする。

 

営業担当:「売上が10%ダウンの270百万円になるので、利益も10%ダウンして18百万円になります」

経理担当:「いやいや、売上270百万円から原価200百万円引いて粗利が70百万円になり、販管費は変わらないから経常利益は▲10百万円の赤字に転落してしまう」

購買担当:「違うでしょう。売上が落ちれば原価も減るので、売上270百万円に粗利率33.33%を乗じて粗利90百万円になるから、経常利益は10百万円ですよ」

さて、誰が正しいのでしょうか?

 

答えは、「わからない」です。

え?なんで?コンサルタントなのにわからないの?

そう、これだけでは判断するための情報が足りなくて、わからないのです。

 

売上が10%ダウンする原因を具体的に考えてみましょう。

①販売単価が10%ダウンしたため

②販売数量が10%減ったため

の2つが考えられます。

 

①の場合は、売上高が270百万円になっても原価200百万円は変わらないので、粗利が70百万円、販管費を引くと経常利益は▲10百万円になります(経理担当の考え)。

②の場合は、売上高が270百万円になると原価も下がり180百万円になり、粗利が90百万円、販管費を引くと経常利益は10百万円になります(購買担当の考え)。

そう、同じ売上10%ダウンでも、結果は違うのです。

 

わかりづらいですよね。

しかし、これが簡単にわかる方法があります。それは図式化です。ある図にすると、一気に簡単になります。小学生でもわかるようになります。実際にやってみましょう。

 

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前期

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販売単価が10%ダウン

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販売数量が10%ダウン

このことから、何がわかるでしょうか?

「売上の変化が利益にどう影響するかは、売上だけではわからない」

もっと本質的なことは、「損益計算書だけ見ていても、何も判断できない。経営の意思決定に使えない!!!」ということ。

いかがですか?

でも実際の経営の場では、損益計算書、試算表を分析、意思決定に使っていませんか?

多くの中小企業の経営の場では、損益計算書、試算表が経営資料の中心となっているのが現実です。この状況を変えなければ、経営はよくなりません。

 

損益計算書だけ見て、経営の意思決定をしていませんか?」

 

それでは、また。

Mauruuru