小さな会社の青チップ事例 アックスヤマザキ②

Ia ora na!
前回の続きで、アックスヤマザキさんの青チップ(研究開発)事例について。

https://www.axeyamazaki.co.jp/

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山崎一史社長は、OEM製品削減と同時に、自社製品を増やしていきました。
今回は、その自社製品の展開についてです。
(参考:日経トップリーダー2021年5月号)

まずは、どんな自社製品を開発されたかというと、
2015年「毛糸ミシンHug」発売
2020年「子育てにちょうどいいミシン」発売
2021年「子育てにもっといいミシン」発売
    「孫につくる、わたしにやさしいミシン」発売
ネーミングを聞いただけでも興味がわいてきますよね。

1.開発方針
開発にあたり、山崎社長は3つの方針を掲げています。
・ミシン未経験者、初心者向けの製品に特化する
・身近にいる具体的な利用者を想定する
・自身で繰り返しヒアリングし、開発時に妥協しない
前回も書きましたが、「ブレない経営姿勢」がアックスヤマザキさんの成功要因、強みだと思います。
自社製品の開発に当たっても、この方針のもとブレない行動へとつながっています。
日経トップリーダーのインタビューで、「未経験者、初心者向けの低価格だけでなく、さらなる成長を考えて、上級者向けの高価格帯を狙っていかないのか?」という質問に、
「今後も未経験者、初心者が当社のターゲット。高価格帯に進むつもりはない。中級者、上級者向けには他社さんが優れた機種をたくさん出している。ミシン以外に進出するつもりもない」と答えています。

2.ターゲット顧客
開発方針にもあるように、
「ミシン未経験者、初心者向け」
「身近にいる具体的な利用者を想定」
そこからさらに製品毎に、子供、子育て世代(オシャレに気を使う母親)、孫をもつ年配者とセグメントしています。

『ミシンは価格帯ごとに仕様のすみ分けがあり、その中でより良い製品の開発を目指すのが一般的でした。
それに対し、山崎社長は、「こんな商品を作りたい」「こんな人たちに使ってほしい」というイメージがはっきりあります』
これは、社員さんのインタビューの一節ですが、ここから読み取れるのが、プロダクトアウト志向かマーケットイン志向かの違いです。
開発方針の根っこの部分は、これまでの業界常識(プロダクトアウト志向)を打破し、マーケットイン、顧客視点になることだとわかります。

3.商品・サービス
商品は、使う人たちの目線でとことんこだわり、「その水準に達していないと何度でもやり直し」をするそうです。
小さな子供が扱うものは、安全かつ簡単に扱える仕様にする。
オシャレにも気を使う母親向けの商品では、デザイン家電のようなオシャレな外見で、機能を絞り込み小型軽量化を進める。
使い方を紹介する動画にアクセスできるQRコードシールやスマートフォンを置けるスタンドなど、細部に渡って、使い手に優しい機能が考えられています。
ネーミングもいいですよね!「誰がどういう時に使うのか?」ターゲットと用途を想起できます

4.市場・競合
「ミシン未経験者、初心者向け」市場というものを、新たに創出しました。さらにマーケットイン視点での差別化
そのため、競合は今のところないように思えます。

5.開発プロセス
開発方針「自身で繰り返しヒアリングし、開発時に妥協しない」をとことん実践されています。具体的に見てみましょう。

1)毛糸ミシンHug

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「おもちゃ」としての子供用ミシン。
当初、既存の流通経路で販売するも、ほとんど売れず。
そこで、自分の娘に試作品で遊ばせるだけでなく、知り合いに子供を集めてもらい、他県まで試作品を抱えてヒアリングに赴いたそうです。未就学児から小学校高学年まで幅広く遊んでもらい、どの層に狙いを絞るか検討を続けました。
知り合いの紹介で、玩具小売最大手の企業に接触。その成果を持って、今度は玩具卸の最大手に商談を持ちかけました。
「もしNGだったら他の卸を当たるから2週間で返事をしてほしい」と強気の交渉も。

2)子育てにちょうどいいミシン

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オシャレにも気を使う母親がターゲット。
「VERY」読者を想定顧客とし、実際に雑誌を読み込みました。
誌面にあった電動自転車のマットブラック色に注目、ヒアリングの結果、ミシンの色にも望む声が多く、この色に決定。何度も壁にぶつかりながら開発の困難を乗り越えて実現!!
自ら現場に出て、身近にいる使ってほしい人の声を拾って製品に反映し、何度も何度もトライ&エラーを繰り返し、ヒットの確率を高めています。

「中小企業の青チップは、こうあるべき!」非常に参考になりました。

それではまた。
Mauruuru

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小さな会社の青チップ事例 アックスヤマザキ①

Ia ora na!
大阪のアックスヤマザキ(大阪)という会社をご存知ですか?

https://www.axeyamazaki.co.jp/

日経トップリーダー2021年5月号で特集されていたのですが、
とても素晴らしい経営をされていて、「小さな会社の青チップはこうあるべき!」と参考になったため、ぜひお伝えしたいと思います。
(参考:日経トップリーダー2021年5月号)

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日経トップリーダー2021年5月号

1.企業概要
資本金:2000万円
社員数:18名、パート含めて25名
事業内容:ミシンメーカー

2.市場
ミシンの国内販売市場は、1995年で約159万台。そこから減少の一途で2019年には52万台と、25年間で1/3に縮小。
国内生産台数も1970年前後には約400万台あったものが、近年は何と5万台前後にとどまるそうです(経産省「生産動態統計」による)。
完全な縮小市場です。

3.直近の業績(20年12月期)
売上高10億円 前期比2.5倍!
営業利益2.5億円 前期比12.5倍!
一人当たり営業利益が10百万円!!

縮小する市場で、これはすごい数字ですよね。
コロナ禍の巣ごもり需要などでミシン市場が動いたとはいえ、それだけでこれほどの業績は実現できません。
そこにはいろいろな経営改革がありました。

4.事業再構築
現社長になってから(2015年〜)、大きく2つのことをされています。
1つは、メイン事業であったOEM製品の整理。
粗利益率を基準に、100種類→30種類まで削減されました。
1つは、台湾にあった自社専属工場の閉鎖。
先代の実父が立ち上げた工場を閉鎖する意思決定をされました。
この2つのことって、言うのは簡単ですが、実際に決断して実行するのはとてもたいへんです。
会社の中身を全く変えてしまうことですからね。

実際に、販売台数の推移を見ると、
ピーク時1996年13万台(OEM12.5万台、自社製品0.5万台)
社長就任直前2014年3.5万台(OEM2.2万台、自社製品1.3万台)
社長就任時2015年5万台(OEM1万台、自社製品4万台)
直近2020年7万台(OEM0.5万台、自社製品6.5万台)
社長就任直前の14年時点ではOEMが63%を占めていましたが、
就任後の15年時点でOEM20%(推定)、直近ではOEM7%(推定)と
OEM製品と自社製品の比率を逆転させています。
急激に縮小する市場変化に対し、OEM製品の削減と自社製品の増加を同時に進めています。
そして、2015年以降販売台数を伸ばしている点も注目です。

売上、粗利益、営業利益の推移は、
1996年22億円強、6億円、2億円弱
2014年6億円強、2億円、0円
2020年10億円、5億円、2.5億円
売上がピークの半分以下になっているのに、営業利益は過去最高!!

5.成功要因
私は、大きく3つあると思いました。
・「やめる」という意思決定、覚悟
OEMの一部をやめる。台湾専属工場をやめる。
また、2018年の時は、稼ぎ頭の自社商品の製造と出荷までも1年間止めるという意思決定し、2100万円の赤字を出しています。
その理由は、自社商品のモデルチェンジ前に市中在庫を売り切るため。新旧製品が混在し販売先に迷惑が掛からないようにするため。
始めることって意思決定しやすいのですが、やめる意思決定、覚悟というのはなかなかできません。
これをやり遂げたのはすごい!

・強い財務体質
赤字を出してまでもやめる。この意思決定ができた背景には、先代が実現した無借金経営という健全な財務体質があります。
「手元資金が厚いおかげで、目先の売り上げや利益を追う必要がなく、会社の継続性を優先した経営判断ができるのは本当にありがたい」(山崎一史社長)
資金の余力が大事。意思決定の幅、選択が全然変わりますね。

・受け継がれる経営者の姿勢(ブレない経営方針、リーダーシップ、実行力、突破力)
無借金経営、脱目先利益、「成長は必ず止まるから縮小しても継続できる会社に」。
一貫したポリシーが感じられます。
さらに、自社商品開発を推進していくリーダーシップ、実行力、突破力。
先代も新たなビジネスモデルを作って、債務超過から無借金経営を実現されています。
そして、先代の引き際、後継者へのバトンの渡し方、事業承継の姿勢もすばらしい。無借金、株式の整理、古参社員の整理等をした上で、後継者を信じてすべてを任せる。これもなかなかできるものではありません。

伝えたいことが多すぎて、1回でまとめきれませんでした。
肝心の青チップの話が全く書けていません(汗)。
現社長の実行力がすごいんです!!
続きは、次回に。

それではまた。
Mauruuru

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市場制約における「②ボトルネックの最大活用」とは?

Ia ora na!
前回のブログでも書いたように、現在は市場の需要縮小が続いており(デフレ:総需要<総供給)、コロナ禍がそれを加速させています。
こんな時、中小企業はどう改善していけばいいのでしょうか?
今回は、TOCの視点で考えてみたいと思います。

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TOCの改善ステップは5つ。
ボトルネックを見つける
ボトルネックを最大活用する
ボトルネック以外をボトルネックに従わせる
ボトルネックを強化する
⑤次のボトルネックを見つける

ここで、供給能力よりも需要が少ない場合、いわゆる市場制約の場合、改善のステップはどう考えるべきなのでしょうか?

ボトルネックを見つける
「制約(ボトルネック)は市場にある」という識別はすでにできています。

ボトルネックを最大活用する
市場が制約であるならば、需要を増やさなければなりません。
そこで、「需要を増やす=顧客を増やす」と考えてはいけません。
なぜなら、顧客を増やすためには投資(資金投入)が必要となるからです。
これは④ボトルネックを強化するステップで行うべきこと。
それでは、どうしたらいいのでしょうか?
「“既存客”を無駄にしていないか?最大活用できているか?」と考えるのです。

その時、2つの大きな視点が必要です。
1つは、顧客の選択と集中
全顧客を一律に見るのではなく、主要顧客を選択して集中的にチェックしていく重点志向です。パレートの法則ですね。
1つは、顧客視点でのニーズ把握。
これは前回のブログで書いた、作り手から見た価値(プロダクトアウト)ではなく、お客様に直接会いに行ってニーズ情報を得て、顧客から見た価値(マーケットイン)を把握する。

そして、主要顧客のニーズがわかったら、③ボトルネック以外(社内の各部門)をボトルネック(顧客ニーズ)に従わせるステップ、改善案の検討に移っていきます。

また、必要条件として、最低でも以下のことができていなければなりません。
・高い納期遵守率
・短納期対応力
・顧客期待レベルの品質
これらは、顧客ニーズを調べるときに、まず一番にチェックすべき項目です。
そして、これらは物理的制約の範疇となります。

TOCは、改善の方向性とともに、改善の手順(ステップ)を示してくれます。
この手順を踏んでいくことがとても大事です。
手順を間違えると、せっかくの行動も効果、効率に繋がりません。逆に部分最適に陥ってしまいます。
新規開拓は重要ですが、投資が必要ですし、回収にも時間を要します。
「1:5の法則」(新規のお客様を獲得するには、既存のお客様の5倍のコストがかかる)というものもあります。
「“既存客”を無駄にしていないか?最大活用できているか?」を考えることが、先決です。

7月のTOCセミナーは、この市場制約がテーマ。いろいろと深掘りしていきます。
興味のある方は、ぜひご参加ください。

ボトルネックは、どこか?」
「何を、どの順番で行うか?」
「“既存客”を無駄にしていないか?」
ぜひあなたも、自社に置き換えて再点検してみてください。

それではまた。
Mauruuru

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社長、「穴熊」になっていませんか?

Ia ora na!
MG(マネジメントゲーム)をやって、一番最初に感じたこと。
それは、「販売こそ事業の牽引力である」ということ。
売れないと、経営は成り立ちません。
販売さえ順調にいけば、企業の大部分の問題は解決するといっても過言ではありません。
しかし、現実は・・・。

多くの中小企業、特に製造業では、この「販売」に対する意識が乏しい。
経営者が職人気質であったり、後継経営者が営業を経験したことがなかったりと、いろいろ事情がありますが、昔の作れば売れる時代はとうに過ぎ、「どうすれば売れるか?」を経営者が真剣に考えているかいないかで、大きな差が生まれています。
特に、今回のコロナ禍がその傾向をより強くするものと感じます。

私自身、サラリーマン時代は、工場で資材購買、生産管理、経営企画の部署でしたので、販売というものをやったことがありませんでした。
当時は、いつも同期の営業が会社から高く評価されて、「なぜ営業ばかり・・・」とちょっと不満を持っていました(苦笑)。
しかし、独立して自分で経営をしている今は、「販売が大事」「売ることが一番難しい」と強く認識しています。
中小企業診断士の師匠に教えていただいたことも、「受注力」の大切さでした。

ここで問題なのは、「販売は営業部門の仕事」と思ってしまうこと。
一倉定が言っています。
『販売というものは、営業部門に任せておけばいい、というような軽々しい問題ではない。会社の不沈に関する重大命題なのだ。我社の商品が売れなければ会社はつぶれてしまうのである。販売という大命題こそ、社長の基本的業務の最たるものの一つなのである』
『当然のこととして、社長自ら販売活動の総指揮をとり、自らその先頭に立って奮闘しなければならない。社長は、社内にいて外に出ない「穴熊」ではダメ。社長はお客様のところへ行きなさい!』
(引用:一倉定の社長学「販売戦略・市場戦略」)

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なぜ、社長は穴熊ではいけないのか?
なぜ、社長はお客様のところへ行かなければならないのか?

なぜなら、販売のすべての答えは、お客様のところにある!お客様のところにしかない!!からです。
そして、社長が直接行って、自らの目と耳と肌で、お客様の要求を見、聞き、感じとる。そうしなければ得られない情報があるからです。

繰り返しになりますが、これができている中小企業の何と少ないことか。
“作る”にばかり意識があって、“売る”販売活動は二の次になっています。
裏を返せば、これができれば他社よりも頭ひとつ抜けられる、圧倒的な優位に立てるということです。
「そうは言っても、コロナ禍でなかなか訪問は難しい・・・」
そうですよね。わかります。
でも、このままだと、お客様と疎遠になるばかりです。
会社存続のため、社長自らが絶対にやらなければならないことなのです。
社長が先頭に立って、どうやってお客様に会うか?を考えてください。
それが危機を乗り越える唯一の方法だと思います。

それではまた。
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数字を使う技術 データの精度と最適解の考え方

Ia ora na!
クライアントの営業責任者から、こんな話がありました。
「分析に使っているデータの精度が悪い。誤った数字を元にした原因調査や戦略立案は危険だと思いますので、このような数字の誤りがあった事実をご報告します。ご確認ください」
社内の販売データを分析して、主要得意先に絞って、限界利益の落ち幅が大きい数社の原因調査をお願いしていてのことでした。ある得意先のある商品の変動費が間違っていたとのこと。
これを受けて、「データは使えない」「今やっていることは危険だ」…。

これについて、あなたはどう思いますか?

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確かに、データの精度が悪いのは改善していかなければなりませんね。
しかし、それを“誤り”として、現在進めている原因調査や戦略立案をすべて“危険”と決めつけていいものでしょうか?
そもそも“危険”とは、どういうことでしょうか?

多くの中小企業では、意思決定に必要な経営計算資料が整備されていません。
もしくは、資料があったとしても、データの精度が必ずしも良くありません。
これが事実、現状です。
その前提に立った時、
「だから分析できない」
「正確な分析をしなければ意味がない」
と結論づけてしまっていいものでしょうか?

「それじゃあ、どうするの?」

いわゆる数学的な意味での最適解にあまりこだわらない方がいいと思います。
最適解を求め過ぎて、答えが出ない(答えが出せない)から動かないというのはもったいない。
精度が悪いデータでも何とか解を求めて、それを元に問題・課題のあたりをつけて、多角的に使えば行動に生かせます。
それと同時に、少しずつ少しずつ社内のデータの精度を改善して上げていく。
これが数字を使う「技術」だと思います。

「理論」をベースに、最適解を求める。
大事なことですが、「理論」に捉われて、完璧主義になり過ぎて、準備が完全に整うまでは何もしない(できない)では意味がありません。
「理論」に捉われ過ぎず、「理論」と「技術」を融合してこそはじめて実践的武器になります。

今回のケースも、「不備のデータにより全てが使えない」、「そのデータを元にした原因調査や戦略立案は危険」と判断して、
「最適解が算出できるまでは“Do Nothing”、何もしない」
と決めてしまう。このことの方が“危険”です。
逆に、「自社のデータの不備がどこにあるのか?発見できて一歩前進した」と考えたいものです。

「まずやる。あとで直す」
理論と技術の融合。
私も昔は理論、最適解にこだわっていました(苦笑)。
経験を積んで、ちょっとだけ「技術」が身についてきたのかもしれません。
クライアントの営業責任者にもお伝えしたいと思います。

それではまた。
Mauruuru

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その研究開発、企画書ありますか?

Ia ora na!
研究開発は、とても重要ですね。
MG(マネジメントゲーム)でも、青チップ効果は絶大です。

この研究開発。
ただ「やってるよ!」ってだけだと、なかなか効果に繋がりません。
「自分たちの作れるモノ」で開発してしまうと、せっかく完成しても、お客様に受け入れてもらえないなんてことも…。
そこで大事なのが、新商品企画です。
あなたの会社では、新商品の企画書ってありますか?
そもそも新商品企画ってどんなことを考えればいいのでしょうか?

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新商品企画を考える時、4つの視点が必要です。
・ターゲット顧客
・商品・サービス
・市場
・競合

この4つの視点で整理し、「根拠」「ニーズ」を明確にしていきます。

1.ターゲット顧客
・はじめに顧客を設定します。
・どんな商品・サービスも全てのお客様を対象にすることはできません。何らかの基準で顧客を分類(セグメント)します。
・ターゲットとなる顧客を想定できたら、次にどんなニーズに応えようとしているのか?を詰めていきます。
・ニーズには、2つあります。顕在ニーズ(必要性)と潜在ニーズ(隠れた欲求)です。この切り口を意識して整理します。

2.商品・サービス
・ニーズに答えられる商品・サービスを具体的に検討します。
・4P「Product:提供するもの・こと」「Price:価格」「Place:売り方・提供形態」「Promotion:広告・宣伝方法」+「特徴」「顧客ベネフィット(利点)」に分けて表現します。

3.市場
・市場規模と事業規模(シェアの可能性)を推定します。
・金額や数量で表現します。

4.競合
・競合や類似商品と比較します。
・比較することで、自社の強みと弱みを発見します。
・ポジショニングマップを使って、他社と比べて「独自性があるか?」「成功する可能性が高い参入余地があるか?」をチェックします。

上記項目を参考に、ぜひ新商品の企画書をまとめてみてください。
A4用紙1枚だけでも構いません。「まず書く!」ことが大事です。
そうすることで、企画の見落としに気づき、プランを磨き上げられると共に、関係者にイメージしてもらいやすくなり、賛同が得られるようになります。
ぜひ紙に書いてみてください。

それではまた。
Mauruuru

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“つなげる”と、見えないものが見えてくる!!

Ia ora na!
クライアント先で、業務フロー改善を進めています。
これまでもいろいろな企業で何度も行なってきたことですが、今回は、その規模、範囲が全然違います。
どう違うかというと、”全社レベルで”行なっているのです!
全社レベルで行うと、信じられないくらい効果が大きい!!
その理由は・・・

全社レベル、全部門で行うのは、私も初めての経験。
たくさんの業務フローが出来上がってきました。
現状の洗い出しが終わったため、いよいよ改善案の検討の段階に入りました。
昨日の会議では、製造部門の前後工程が集まって、どういった問題があるか?を確認し合い、改善案を考えました。

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とてもいい議論ができました。
これだけ改善が進んでいる会社でも、まだまだ問題が出てくるものです。
ポイントは、2つ。
部門と部門の“間”」と「情報の共有化」。

1.部門と部門の“間”
改善のアイデア(宝)は、部門と部門の“間”に落ちています。
部門内での改善は進んでいるのですが、前工程、後工程まで業務フローをつなげてみると、もっと仕事がやりやすくなる改善案がたくさん出てきます。
「そういうことで困っているのであれば、こっちでこうするよ」
「今まではこういう基準で整頓していたけれど、基準を合わせた方がモノを管理しやすいね」
「情報の伝達ができていないね。これまでの人頼りをやめて、伝達の流れを決めて一元化しよう」
などなど、素晴らしい改善案がいくつも出てきました。
前と後をつなげたことで、初めて見えてくるものがたくさんありました。
野球のポテンヒット。打球が内野手と外野手の間にフラフラっと落ちてヒットになる。
各々のポジションの守備範囲の間に落ちる打球は、なかなか処理が難しいもの。
仕事でも同じことが起こっているんですね。しかも、それが結構多い。
業務フローをつなげたことで、その“間”が認識できるようになり、対策が打てるようになりました。

2.情報の共有化
現場ではモノの流れはわかりやすいので、どんどん改善を進めることができるのですが、情報に至っては、目に見えないため疎かになりがち。
しかし、仕事をするのに一番大事なのは、情報です。
モノと情報が対に流れて、初めて仕事ができるのです。
後工程に行けば行くほど、必要な情報が途中でこぼれていき、届いていない。
そのせいで、余計な作業、確認、調整、やり直し、廃棄等のムリ、ムダ、ムラが発生していることが発覚しました。
情報共有では、以下の項目を整理しておくことが重要です。
 What:どんな情報が必要なのか?
 Who :誰から誰に伝えるべきなのか?
 When:どのタイミングで伝えるべきなのか?
 How :どのような方法で伝えるべきなのか?
業務フローをつなげて、みんなで考えたことで、上記項目が明確になりました。

業務フローをつなげて考える。
“つなげる”と、見えないものが見えてきます!!
部門と部門をつなげることで、相手の立場になることができ、全体最適が生まれるという好循環が作れます。
昨日の会議で、改めてその重要さを実感しました。
クライアントのさらなる進化、楽しみです!!

それではまた。
Mauruuru

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