稼働率の恐ろしい真実

Ia ora na!

今日は、「稼働率の恐ろしい真実」についてです。

5月、クライアントの現場リーダーを対象に「TOC研修」を行いました。

f:id:ko-manage:20200722123051j:plain

この研修は、工場でのものづくりのやり方を4つのパターンでシミュレーションし、何を、どう変えると、どんな結果になるか?を学んでいくものです。

今回、それぞれのパターンの工程毎(6工程)の稼働率を測定してみました。

結果、どうなったか?と言うと、

シミュレーション

第1工程

第2工程

第3工程

第4工程

第5工程

第6工程

#1

100%

92%

90%

84%

56%

63%

#2

100%

100%

86%

96%

57%

55%

#3

48%

52%

97%

53%

49%

#4

56%

53%

89%

56%

40%

 

さて、この結果をみて、あなたはどう評価しますか?

一番儲かったのはどのシミュレーションの時でしょうか?

 

一般的に、#1、#2は稼働率が高い工程が多く、#3、#4は逆に稼働率が下がってしまっているため、#1、#2が上手くいって、儲かっていると考えられます。

しかし、結果は全く違いました。#1、#2より、#3、#4の方が上手くいき、大幅に改善、儲かったという結果となりました。

 

なぜ、そのようになるのか?

『部分の合計は、全体に一致しない』からです。

これが部分最適稼働率の恐ろしい真実です。

それぞれの工程がいかに稼働率を上げても、全体のアウトプット(産出)にはつながらないのです。つながらないどころか、逆に悪影響を及ぼす事態を招きます。

その理由は、ものづくりのプロセス、流れには、「つながり(従属性)」と「ばらつき(変動性、不確実性)」が潜んでいるからです。

ちょっと意味がわかりませんよね。

「本当にそうなるのか?」

「今回、たまたま偶然、そうなっただけではないのか?」

まだ疑っている方もいるかもしれませんよね。

 

これはたまたまの偶然ではありません。必ずこうなるのです。

それを理解していただくには、理屈を説明するよりも自分で体験していただくのが一番手っ取り早い。

ご興味がある方は、ぜひ一度、研修を受講してみてください。

 

ひとつ覚えておいていただきたいことは、一般的に実施されている工程ごとの稼働率目標と稼働率管理は、それを進めれば進める程、真の生産性( =儲けの増大化)とは逆の方向に組織を進めていってしまうということです。百害あって一利なしです。

 

『部分の合計は、全体に一致しない』という真実

「部門ごとの稼働率目標・管理をやっていないか?」

 

それでは、また。

Mauruuru