売り方が変われば、作り方も変わる

Ia ora na!
中小企業の製造業で、OEM(相手先ブランドによる受託製造)が中心のところが多くあります。
昔は、このビジネスモデルでも生存できるだけの利益が出ていました。
しかし、これは過去の話。
今は、委託先の販売力が低下したり、海外製品との競争が激化したりして、以前と比べると注文数が大幅に減ってしまっています。昔のように、OEMだけでは生存できなくなってしまったのです。
そのため、OEMから自社商品の直販を模索する動きとなっています。
この方向性はとても良いと思うのですが・・・

先日伺ったクライアントも同じ状況です。
OEMから自社商品の直販への移行を進めようとしています。
まさに事業構造を変える時!!
この時に大事なこととは、一体何でしょうか?

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直販を始めようとする時、特に今は、ECやSNSなどに注目が集まっています。
「中小製造業がECやSNSで直接、商品を売ることができる時代」
これはチャンス!!とばかりに、経営者はもちろん、我々コンサルもそちらにばかり目が行きがちです。
しかし、これは販売方法の一手段の話であって、事業構造を変えるために考えることの一部分でしかありません。
それと同時に大事なことは、製造業として、「生産方式を見直す」ことだと思います。
つまり、買って-作って-売るの一連の流れを大きく変える必要があります。
具体的には、これまでの大量生産方式から少量生産方式への生産方式の変更、それに伴う、人の配置、在庫の見直し、設備の見直し、レイアウトの変更等を考えなければなりません。
このことを抜きにして、ECやSNSの売り方だけを考えても片手落ちとなります。
そう、事業構造を変えるということは、生産方式を見直し、F(固定費)の構造を変えることになるのです。

先ほどのクライアントでは、ECやSNSという売り方に注力するあまり、生産方式の見直しができていませんでした。
そのため、MQ(限界利益)が落ちていくのに対しF(固定費)は高止まりという、バランスが崩れたままの状態で、Fの見直しができずにいました。逆に、新たな売り方のために、さらにF(固定費)をかけています。これでは赤字が続き、自社商品の直販が成立する前に会社が持たない恐れも・・・。
そこで、OEM商品の採算性を一つ一つ分析して、現状の自社の損益分岐点賃率と比較して、どうやってバランスを取るか?OEMの生産数が減る中、自社商品へ移行していくに当たり、生産方式、生産体制をどう変えていくかを考えていくこととしました。
生産方式の見直しとともに、当然、既存OEM品の値上げ、場合によっては一部撤退も視野に入れなければならないことが判明してきました。

このように、売るだけを変えるのではなく、すべては買って-作って-売るの一連の流れで考えることが大事なんですね。
売り方が変われば、作り方も変わる。
そして、数字で分析し考えることで、具体的な行動が見えてきます。
クライアントと一緒に、MQとFのバランスが取れる均衡点を早く見つけ、経営改善を図っていきます。

それではまた。
Mauruuru


〈お知らせ〉
11月20日(土)-21日(日)、うどん県MGセミナー2021を追加開催することにしました!!6月開催が延期となってしまい、その代替日です。
会場は、いつもの所が空いておらず、四国繊維販売株式会社さまのご厚意により、コミュニケーションルーム「いこい」をお借りします。
四国繊維販売株式会社さま、ありがとうございます。
ご都合がつく方は、この機会にぜひご参加ください。
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経営を簡単にする方法

Ia ora na!
先日、新規のクライアント2社に訪問して気づいたことがあります。
それは、「多くの中小企業は経営を難しくし、大企業は経営を簡単にしている」ということ。
どういうことかというと・・・

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新規のクライアント2社とも、経営者も社員もとてもまじめで、一所懸命に頑張っていました。
しかし、その頑張りがどう経営に影響しているのか?儲かっているのかどうか?が、さっぱりわかりません。
わからないから、経営者は毎日不安でたまりません。
不安の中、何かしなければならないと、場当たり的にKKD(勘・経験・度胸)で意思決定しています。
KKDで意思決定するならまだいいかもしれません。多くの場合は、意思決定することなく、周りに勧められるままに選択したり、日々の仕事をこなすだけになってしまったりしています。

MG(マネジメントゲーム)では、“行数”をいかに使い切るかがポイントとなります。
なぜならば、行数の数だけ意思決定ができ、意思決定の回数が多ければ多いほど競争相手よりも打ち手が多く、失敗しても軌道修正できて、結果、業績がよくなるからです。
実業も同じです。経営者が意思決定を多くしている会社は、環境変化に迅速に適合でき、業績が好調です。

経営力の差とは、実は、経営者の能力、意思決定の質よりも、経営者の意思決定の回数、量にある。
意思決定の回数が、経営を簡単にするのです。
そうであるならば、経営資源の少ない中小企業こそ意思決定を多くしなければなりません。
しかし、現実は、その逆です。

あのソフトバンクの孫さんは、経営危機に直面したとき、試行錯誤を経ながら「日次管理」を取り入れたそうです。
『毎月一回の業績管理を毎日に変更する。日々の数字を把握することで売れ行きの変化にすぐさま対応する体制を整える』
(引用:孫正義300年王国への野望 杉本貴司著)
今では、日次管理はソフトバンクの経営の代名詞となっています。

能力ではなく、意思決定の回数であるならば、できそうですよね。
その環境を作ればいいだけのこと。
1年365日、1日24時間、持ち時間は誰も同じ。
その中で意思決定を多くするには、細かく行うということ。
年次から月次へ、月次から週次へ、週次から日次へ。
経営の見える化を図って、KKDにK(会計、科学)を加えて、意思決定の回数を徐々に増やしていき、経営力を上げていけばいいのです。
新規クライアント2社も、意思決定する回数を増やすべく、さっそく環境整備に取りかかりました。経営を簡単にして、今後の利益改善、成長につなげていく。
とてもワクワクしています!!

それではまた。
Mauruuru


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マーケットシェアの意味 〜新事業の時、どうしていますか?〜

Ia ora na!
MG(マネジメントゲーム)の第5表には、「マーケットシェア」を書くところがあります。
ゲーム中は、ややもすると、急いで決算することに意識がいってしまい、このマーケットシェアをただ計算するだけになってしまうことも。
でも、なぜマーケットシェアを計算させているのでしょうか?

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MGを開発した西順一郎先生は、次のようにおっしゃっています(「MG教科書A」より抜粋)。
・実はこれ(マーケットシェア)は“科学的”にいって、非常に妥当だから付いているのである。
・私は「シェア」は業績の先行指標だ、と思うようになった。シェアが良いと、業績もよくなる。業績が良くなると株も上がる。その思想を、MGにも取り入れた。
・”シェアこそ収益性の決め手”
・“マーケットシェアの科学”

確かに、MGで成績がいい人は、マーケットシェアも高いですよね。
マーケットシェアは業績の先行指標なんです。

であるならば、実業でも「どうやってマーケットシェアを上げるか?」という意識が重要ですね。
例えば、新商品や新事業を始めようとする時は、どうですか?
どんな商品にしようか?どうやって広告しようか?は考えますが、マーケットシェアを考えている人は少ないと思います。

まずは、何をおいても市場の大きさ(総需要)を調べなければいけません。
この時、精緻な数字を求めようとする完璧主義はナンセンス。
そんなものはどこにも存在しません。
いろいろ情報を集めて検討し、当たりをつけることが肝要です。
重要なのは、先発企業の情報。4〜5社の信用調査等も入手して調べ、売上高、主な得意先などを関連させて推定していきます。
次に、マーケットシェアの10%を考えてみます。
この10 %というのは、事業存続の最低条件。これ以上できるかどうか?を考え、戦略を検討していきます。

マーケットシェアは、相対的なもの。競争相手と比べて、いい勝負をしているのかどうかがカギとなります。マーケットシェアは、それを判断するための「ものさし」です。
この「ものさし」をもとに、今、自分が競争上のどのポジションにいるのか?仮説を立て、常に測定していきます。

前回のブログで書いた「製品ライフサイクル」で市場が今どの段階にあるか?をつかみ、「マーケットシェア」で競合との位置関係を把握して、製品ライフサイクルの段階に応じて、競合に勝つ打ち手を考える。
実績のない新事業こそ、戦略的に進めていかなければなりませんね。

「新事業の時、最初に市場の大きさ、マーケットシェアを把握していますか?」

それではまた。
Mauruuru

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商品の“旬”を意識する

Ia ora na!
ものには、旬というものがあります。
食べ物で言えば、新鮮で一番美味しい時ですね。
事業や製品・サービスにも、この“旬”があります。
これを意識して経営をするかどうかが、とても大事なんです。
新事業を考える時も、いろいろと示唆を与えてくれます。

『製品ライフサイクル』というものがあります。
製品が市場に投入されてから姿を消すまでには、導入期、成長期、成熟期、衰退期というプロセスを経ていきます。そして、それぞれのステージに応じた施策を行っていきます。

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成熟期の製品にばかり頼り、新製品を投入するタイミングを見誤ると、成長期の製品を切らしてしまい、売上や利益に大きな影響を与えてしまいます。
それを回避するために、自社の製品の旬、それぞれの製品がどのステージにあるのかを把握することが大切です。その上で、タイムリーな新製品投入を行っていきます。

また、この製品ライフサイクルを戦略的に活用した事例もあります。
アメリカのGMを世界一に躍進させた大社長アルフレッド・スローン氏です。
ライバルであるフォードのT型車が長年にわたってモデル・チェンジしないために、消費者からあきられていることを知りました。そこで、
「新型車を次々に発売して、T型車を心理的に陳腐化させる」T型車駆逐戦略を立て、最終的にはT型車を生産中止に追いやりました。
ライバルを無力化させる、すごい戦略ですね。
これも市場・顧客をよく見て、ライフサイクルを見極めていたからこそできる戦略です。
参考になります。

すべてのものが、この製品ライフサイクル通りにいくとは限りません。
打ち上げ花火のように一瞬の大ヒットで終わるものもあれば、ロングセラー、遅咲きのもの、成熟期からテコ入れして再び成長するリバイバルなんてものもあります。
しかし、ここで大事なことは、
「どんな優れた商品でも、斜陽化していくことは避けられない」という認識です。
商品が斜陽化していく限り、我が社の現在の商品が、我が社の将来の収益を保証することはできません。
であるならば、将来の収益を得るための商品を、まだ現在の商品の収益力があるうちに開発しておかなければなりません
これが、MG(マネジメントゲーム)での青チップ(研究開発)の次繰りの意義なんだと思います。

常に、
「自社の製品がどのステージにあるか?」
「タイムリーに新製品投入できているか?」
をチェックしていかなければなりませんね。

それではまた。
Mauruuru

参考文献:一倉定の社長学シリーズ新事業・新商品開発(日本経営合理化協会)
     ビジネス・フレームワーク(日経文庫)

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“時間”という価値を意識していますか?

Ia ora na!
「うちには強みがない・・・」
中小企業の社長とお話しすると、たまにこのような発言を耳にします。
本当にそうでしょうか?

私が、多くの中小製造業をご支援していて、共通して感じることがあります。
それは、「現場の頑張り!!」です。
納期に間に合わせるために、現場の人はみんな必死になって動き回ります。
それは、終わりが見えない中で昼夜を問わずにです。
これは、本当にすごい!!頭が下がります。
が、しかしです。それなのに、儲かっていません(悲)。
そして、「うちには強みがない・・・」という社長の嘆きです。

ここには、大きな問題が2つあると思います。
1つは、社内の問題、仕組みの問題。効率性ですね。
みんなの頑張りが儲けに繋がるように、生産性を上げるための社内の仕組みを構築できていないという問題です。
これについては、TOCセミナーを受講いただければ解決の方法を学んでいただけます。また、ブログでも別の機会にお伝えできればと思います。

今回は、もう1つの方。社外の問題、価値の問題。効果性です。
私は、こちらの方が重大だと思っています。
具体的に言うと、多くの会社が、自社が提供している価値を考える時、「品質」と「コスト」で判断しています。
「品質が良くて、安いもの」は、売れる。
「品質が悪くて、高いもの」は、売れない。
こう考えていませんか?
そうして、売れるためには「コスト」を安くしなければならないと考え、製造ロットを大きくして、見かけ上(計算上)、「安く」見積もっています。
その結果、実際に受注すると、先ほどの現場の状況を招く・・・。
これが、多くの中小製造業の現実です。
これでは儲かるはずがありません。

実は、ここに、もうひとつの軸「時間」を入れると、見え方ががらっと変わります。
「欲しい時にあるか、ないか」という価値です。
いくら品質が良くて安くても、欲しい時に間に合わなければ売れません。
逆に多少品質が悪く高くても、欲しい時にあればそこそこ売れます。
そう、タイミングが大事なんです。

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しかし、多くの中小企業は、その視点を持っていません。
営業が見積もりをする時も、ロット数で価格を変えますが、リードタイムの長短で価格を変えていません。
“早い”ことは、価値です。強みです。その認識が全くといっていいほどありません。
実は、中小製造業の現場の頑張りは、海外製品と比べて、早く入手できているという価値がある場合が多いです。
それを価格に折り込まないのは、ほんともったいない。
中小製造業が何も言わないから、それをいいことに、得意先である大手メーカーや大手小売店等から、●●方式やら、E●●システムという仕組みを押し付けられ、「明日持ってこい」という状態になっています。その結果、製造現場は大混乱・・・。その上、価格は海外製品と同等なんてことも・・・。
きちんと価格に転嫁できていればそれも儲けにつながりますが、そうではないのです。

「大手はひどい」。
いいえ、これは得意先のせいではありません。
社内の大事な経営資源、頑張ってくれるまじめな社員という独自資源を、自社の強み、価値に変えられていない社長の責任だと思います。
ぜひ、もう一度、“時間”という価値の視点で、自社の強みを再点検してみてください。
「うちの社員ほど頑張ってくれる会社はない!!」
社員の頑張りを時間価値に転換して、業績アップを目指しましょう。
中小製造業の強み、可能性は、まだまだあります!!

それではまた。
Mauruuru

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自分の会社の“在るもの”に目を向ける

Ia ora na!
先日のクライアントの会議でのこと。
社長から、
「うちのような小さな会社は、採用したくても、なかなか入ってもらえない・・・」
という話が出ました。
この会社、努力はしてきました。
ここ数年で、ベトナムの方を5人採用(技能実習生、特定技能)しました。が、先月、特定技能の2名が、突然、他の会社に転職してしまったのです。
そのショックもあって、社長は弱気になっていました。

うまくいかなかった時、人は、どうしても「ないない病」に陥ります。
自分は、ない、足りない、できていない、劣る・・・
ないものに目がいってしまうのは、無意識に誰かと比べているから
大企業と比べて、「処遇が見劣りする」「建物が見劣りする」。
そして、「どうせ、うちなんか・・・」「だからできないんだ・・・」。
「ないない病」の厄介なのは、どんどん悪い思考になって、自信をなくすことです。
そして、何よりも、考えることをやめてしまい、真の原因追求と対策が取れなくなります。
これが一番の問題!!
こうして、うまくいかなかった原因を、無意識に、自分の「ない」だと決めつけてしまいます。

しかし、これが本当の原因でしょうか?
そうではないと思います。
自分の「ない」は、ただの前提条件であって、原因ではありません。
だから、考えることをやめずに、何でうまくいかなかったのか?真の原因を見つけます。
そして、大事なことは、「在るものに目を向ける」ということ。
ない、足りない、できていない、劣る、これらに意識を向けるのをやめて、今在るものに目を向ける。
これまで自社が蓄積してきた経験や実績、スキル、評価してくれるお客様、社員の存在。今の自社に焦点を当てるのです。絶対、光るものがあります!
また、未来への夢、想いも、社長が持っている“在るもの”になり得ます。
「うちに入りたいと思ってもらえる会社を作る!!」在りたい姿に意識を向けるのです。

 
実際に、この会社は素晴らしい会社です。
一歩一歩経営改善を進め、赤字から脱却し、業績もよくなりました。
環境整備も地道に実行し、新たな設備も導入し始め、新規顧客も増え、後継者も育ってきました。最初にお会いした当時と比べたら、全く見違える程です!!

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「在るものに目を向けましょう!」
ほんの一握りの大企業以外は、すべて弱者。
弱者は、大企業と同じ正攻法をしていても意味がない。
弱者はゲリラ戦だ!
在るものに目を向けて、それを活かそう!

そして、「まずは動きましょう!」
打席に入る前に、ああだこうだと言っても、始まりません。
まずは、バットを振らなければ!
バットを振れば、ヒットの確率は上がっていきます。
ここで足を止めてしまったら、元も子もない。次の一歩を踏み出そう!

社長、後継者、奥様、幹部社員にそうお伝えすると、みんなの表情、意識が変わってきました。
「そうだ。俺たちにも在るんだ!まずは動こう!!」
会議終了後には、社長の顔、言葉に変化が現れました。

あなたも、ぜひ、「自分の在るもの」に目を向けてください。

それではまた。
Mauruuru

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小さな会社の青チップ事例 アックスヤマザキ②

Ia ora na!
前回の続きで、アックスヤマザキさんの青チップ(研究開発)事例について。

https://www.axeyamazaki.co.jp/

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山崎一史社長は、OEM製品削減と同時に、自社製品を増やしていきました。
今回は、その自社製品の展開についてです。
(参考:日経トップリーダー2021年5月号)

まずは、どんな自社製品を開発されたかというと、
2015年「毛糸ミシンHug」発売
2020年「子育てにちょうどいいミシン」発売
2021年「子育てにもっといいミシン」発売
    「孫につくる、わたしにやさしいミシン」発売
ネーミングを聞いただけでも興味がわいてきますよね。

1.開発方針
開発にあたり、山崎社長は3つの方針を掲げています。
・ミシン未経験者、初心者向けの製品に特化する
・身近にいる具体的な利用者を想定する
・自身で繰り返しヒアリングし、開発時に妥協しない
前回も書きましたが、「ブレない経営姿勢」がアックスヤマザキさんの成功要因、強みだと思います。
自社製品の開発に当たっても、この方針のもとブレない行動へとつながっています。
日経トップリーダーのインタビューで、「未経験者、初心者向けの低価格だけでなく、さらなる成長を考えて、上級者向けの高価格帯を狙っていかないのか?」という質問に、
「今後も未経験者、初心者が当社のターゲット。高価格帯に進むつもりはない。中級者、上級者向けには他社さんが優れた機種をたくさん出している。ミシン以外に進出するつもりもない」と答えています。

2.ターゲット顧客
開発方針にもあるように、
「ミシン未経験者、初心者向け」
「身近にいる具体的な利用者を想定」
そこからさらに製品毎に、子供、子育て世代(オシャレに気を使う母親)、孫をもつ年配者とセグメントしています。

『ミシンは価格帯ごとに仕様のすみ分けがあり、その中でより良い製品の開発を目指すのが一般的でした。
それに対し、山崎社長は、「こんな商品を作りたい」「こんな人たちに使ってほしい」というイメージがはっきりあります』
これは、社員さんのインタビューの一節ですが、ここから読み取れるのが、プロダクトアウト志向かマーケットイン志向かの違いです。
開発方針の根っこの部分は、これまでの業界常識(プロダクトアウト志向)を打破し、マーケットイン、顧客視点になることだとわかります。

3.商品・サービス
商品は、使う人たちの目線でとことんこだわり、「その水準に達していないと何度でもやり直し」をするそうです。
小さな子供が扱うものは、安全かつ簡単に扱える仕様にする。
オシャレにも気を使う母親向けの商品では、デザイン家電のようなオシャレな外見で、機能を絞り込み小型軽量化を進める。
使い方を紹介する動画にアクセスできるQRコードシールやスマートフォンを置けるスタンドなど、細部に渡って、使い手に優しい機能が考えられています。
ネーミングもいいですよね!「誰がどういう時に使うのか?」ターゲットと用途を想起できます

4.市場・競合
「ミシン未経験者、初心者向け」市場というものを、新たに創出しました。さらにマーケットイン視点での差別化
そのため、競合は今のところないように思えます。

5.開発プロセス
開発方針「自身で繰り返しヒアリングし、開発時に妥協しない」をとことん実践されています。具体的に見てみましょう。

1)毛糸ミシンHug

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「おもちゃ」としての子供用ミシン。
当初、既存の流通経路で販売するも、ほとんど売れず。
そこで、自分の娘に試作品で遊ばせるだけでなく、知り合いに子供を集めてもらい、他県まで試作品を抱えてヒアリングに赴いたそうです。未就学児から小学校高学年まで幅広く遊んでもらい、どの層に狙いを絞るか検討を続けました。
知り合いの紹介で、玩具小売最大手の企業に接触。その成果を持って、今度は玩具卸の最大手に商談を持ちかけました。
「もしNGだったら他の卸を当たるから2週間で返事をしてほしい」と強気の交渉も。

2)子育てにちょうどいいミシン

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オシャレにも気を使う母親がターゲット。
「VERY」読者を想定顧客とし、実際に雑誌を読み込みました。
誌面にあった電動自転車のマットブラック色に注目、ヒアリングの結果、ミシンの色にも望む声が多く、この色に決定。何度も壁にぶつかりながら開発の困難を乗り越えて実現!!
自ら現場に出て、身近にいる使ってほしい人の声を拾って製品に反映し、何度も何度もトライ&エラーを繰り返し、ヒットの確率を高めています。

「中小企業の青チップは、こうあるべき!」非常に参考になりました。

それではまた。
Mauruuru

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