日本のBSから思うこと

Ia ora na!
10月のうどん県MG(10月16日(土)-17日(日))では、BS(バランスシート)経営について勉強しました。
PL視点だけではダメで、いかにBS視点が必要か。
その中で、我が国日本のBSについても、少しお話をしました。
財務省が言う「国の借金」って、一体何なんだろう?
BSで見ると、どういうことなんだろう?

すると、それに対する感想がすごかった!
ご紹介させていただきます。
『政府の財政に関しては、国債を発行して得た資金は、財政支出を通じて最終的に日本国民の資産になっているはずなので、「日本政府のBS」は日本の1つの部門のBSに過ぎないのでは?と思います。「日本国民のBS」と合算して日本全体のBSを見れば、国債=日本国民の資産となり、財政問題自体がないのではないかと思いました』

全くの同感!その通り!!
それにしても、なんとレベルが高いこと!!

国の借金と言っていますが、これは政府の借金であって、国債として発行されたものを金融機関が国民から預かったお金で購入するので、国民にとっては借金ではなく債権になります。そして、政府がそのお金で公共投資するとGDP(=経済のMQ)が増加して成長します。
日本経済の主体は、政府だけでなく、家計、金融機関、一般企業、NPOの集合体。日本政府のBSは、まさに1部門に過ぎません。日本国家のBSは、それぞれの主体の資産と負債の合計(連結)になります。
国の借金と言われると、自分や将来世代へのツケのように感じますが、全くの逆なんですよね。
ここで役に立つのが、BS視点。貸方だけを見ていてはダメ。借方はどうなるのかが大事です。

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国の借金問題について、さらにこれは私個人の意見ですが、MG(マネジメントゲーム)の視点から言えば、経済を静態的ではなく動態的に見る、1年ではなく中長期で見ることが大事だと思っています。何もせずにすぐに成長などあり得ません。会社経営ではなく国家経済であれば、なおさらロングレンジの視点が重要。まずは投資が先で、それが時間差となって成長につながる。しごく当然のことだと思います。
どうも「借金」と聞くと、途端に悪いものという感覚で捉えがちですが、MGをやるとそうではないとわかります。

さらに、この投資に対して、「バラマキ」という表現も残念でなりません。
バラマキという言葉からは、意図的にムダという印象を与えていると感じます。
今回のコロナ禍に伴う給付金や助成金、民間の仕事を作るための財政出動、これらは本当にムダなのでしょうか?
国民の生命や財産を守る、国家として成長する投資として、絶対に必要なものだと思います。

ここにも、経理的視点(短期的な勘定管理)と経営者視点(中長期的な戦略)の違いがあるようです。
日々の銭勘定はとても大事ですが、これは戦略、政策ではありません。
そして、銭勘定だけしていては、会社は経営できません。国も同じです。
F(投資、費用=財政支出)をかけた先に、成長がある。

「F(投資、費用=財政支出)が先、G(利益=成長)は後」

この視点を持って、今週末の選挙に投票したいと思います。

それではまた。
Mauruuru

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