本当に原価低減していいの?

Ia ora na!
昨日のクライアントとの会話。
ク「野菜が高騰しており、原価が***%上がっている。献立を見直して、原価低減を図ろうと思う」
私「ちょっと待った!その意思決定が本当にいいのか?慎重に進めないといけません」
ク「え?」

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一般的に、原価低減は収益性を上げるための常識、常套手段です。原材料が高騰している中、当然、「そうですね。ぜひやりましょう」という応えを期待していたクライアントは目が点になっていました。
しかし、この常識は、この企業さんにとってはたいへん危険であると思いました。
その理由は・・・

まず数字面から。
利益感度分析の結果、変動費の感度が一番低く、収益性の観点から野菜高騰は今時点ではそれほど影響を受けないと分析しました。
次に強みの観点から。
この会社の強みは、品質。他社に比べておいしいという評価が強みです。毎日食べるものであり、献立内容や味はお客様が当社を選ぶ一番の理由。その献立が貧相になり品質を落とした瞬間、お客様に不満足、クレームを起こしてしまう危険があり、強みが失われると考えました。
逆に他社が献立内容を変えて原価低減をしてきたら、当社にとっては大チャンス!現状を維持して、さらに優位性を高め差別化できます。

この2点から、今やるべきは原価低減ではなく、逆に原価をかけて他社との差別化を図り、新規開拓、食数アップすることであると伝えました。
この内容にクライアント様も納得。今後の方針、優先順位が決まりました!!

原価低減(コストダウン)。
この常識は、ややもすると全ての企業が共通して行うべき施策、常套手段となっています。しかし、お伝えした通り、企業によっては、効果が乏しく、逆に強みを失ってしまうリスクもあります。
企業ごとに、「何をすべきか?」の優先順位は違います。定量、定性両面で分析する必要があります。

「本当に原価低減していいのか?」

それではまた。
Mauruuru