固定費Fというものは・・・

Ia ora na!
固定費F(Fixed cost)というものは、一体どういったものでしょうか?
何となくわかっているような気がしていますが、今回改めて整理したいと思います。
固定費Fの特性とは?

固定費Fというものを単なる“費用”としてとらえ、「費用は少ない方がいい」というような短絡的に考えるのは明らかに誤りです。
しかし、多くの現場でこのような誤った考えで意思決定がされています。
それも、金融機関や税理士、中小企業診断士コンサルタント等、外部の専門家がそれを促していることも多々あります。
逆に、どんどんFをかけていくのも問題です。油断すると、すぐに冗費に陥ってしまいます。

費用というものは、「事業経営の必要性」から発生するものです。
ですから、「どのような使い方をしたら事業経営に役立つか?どんな使い方をしたらマイナスになるか?」をまず考える必要があります。
そのためには、固定費の特性を知らなければなりません。

パレートの法則ABC分析、2:8の法則)というものがあります。
得意先別および商品別のMQ(限界利益)の多い順に並べて分析する手法です。

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ある中小企業の得意先別MQパレート図

「利益の8割は全体の2割のお客様、商品(Aランク)でもたらされている」というものです。
さらに、半数のお客様、商品(A+Bランク)で利益の95%に達します。
しかし、固定費Fは利益の割合に比例してかかっているものではありません。
Aランクだろうが、Bランクだろうが、Cランクだろうが、それぞれに同じように固定費が必要となります。
下手をすると、5%に過ぎないCランクの方が手間がかかり、Fがかかっているのが実状です。
おおよそ販管費の30%〜40%はかかっているでしょう。

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そのため、Fを削減するのであればまず先に行うべきは、得意先・商品の見直し、撤退・廃止なのです。Cランクの得意先・商品(おおよそ全体の5割)を見直し、取引を続けるのか?撤退するのか?の意思決定を行います。
それを行わずして、Fだけカットしても意味がありません。逆に、現場が回らなくなり、大事な2割のお客様、商品にも悪影響を及ぼし、MQダウンを招き事態を悪化させます。
それを理解せずに、Fカットしている企業がなんと多いことか!

また、Fカットが必要のない会社でも、パレートの法則は同じように成立します。Cランクには固定費がかかっているのです。下手をすると、現場はそれを増員、まとめ買い等でカバーしようとし、知らず知らずのうちに冗費が嵩んでいくのです。
経営者は全体最適の視点、生産性の視点で、定期的なCランクのスクラップ&ビルドを行う必要があります。
ぜひこの視点で、Fの見直しをしてみてください。

「得意先・商品のスクラップ&ビルドが先、Fカットは後!」

それではまた。
Mauruuru