超長期、広範囲の視点が永続価値を生む

Ia ora na!
日経トップリーダー2020年12月号」に山万の記事がありました。

タイトル:
千葉・ユーカリが丘の異色の不動産会社から学ぶ
「売り切り商売」からの脱却

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日経トップリーダー2020年12月号

千葉県出身の私としては、とても興味がわきました。
読んでみると、そこにはすごい戦略がありました。

記事を抜粋すると、
戦略1:年間200戸以上は売らない。「分譲撤退型(売り切り)」でなく「成長管理型」
戦略2:不動産業にこだわらない。鉄道、バス、警備と何でもやる
戦略3:年に6回以上、全戸を訪問。ニーズが顕在化してからでは遅い

不動産業界の常識 山万の考え方
売れるだけ売る 頼まれても200戸以上売らない
→ニーズがあるから売るのは当然 定量供給し、世代の偏りを防ぐ
買い取りは査定の7掛け 買い取りは査定の100%
→売価や利益を考慮すれば当然 →住み替えが進み、街が活性化
住宅を売れば、それで終わり 住民のコミュニティーを後押し
→不動産以外は扱わないのは当然 →文化を作ることで、街ができる

経営の軸:主語が「会社」

都市部に通うための住宅団地供給

経営の軸:主語が「街」

3万人が住み続けられる街づくり

 

そこには、ブレない経営の軸を感じます。
「必ず3万人が住み続けられる街にする」という覚悟です。
超長期の時間軸(50年以上!!)で捉える街づくり。
さらに、通常の不動産会社は「住宅団地」開発ですが、山万は「街」の開発と広範囲。
これこそ、グランドデザイン!
この判断軸で全てが組み立てられています。

顧客のためにならないことはやらない。
逆に、顧客のニーズ、ためになることはやる。顧客満足度を向上するのみ。
そこに業種は関係ない(だからと言って、不動産会社が鉄道まで走らせるなんて…すごい覚悟!!)
山万の社員もユーカリが丘の住民になっています。また、住民もサービスを享受するだけでなく、提供側として山万と一緒に街づくりに積極的に関わっています。
もうこれは企業と消費者という関係を超えた“チーム”、“仲間”です。

顧客満足度
誰もが使う言葉ですが、山万には、損得やビジネスを超えた相手中心主義の心地良さを感じます。

マーケティングでいうところの顧客のLTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)。
これこそ究極のLTVです。
さらにSDGs(持続可能な開発目標)の先取り。

売上は100〜120億円で横ばい。経常利益も2億5000万〜5億円で赤字は1度もなし。
「伸びなくていいんです。売り上げも利益も一定に保つというのが、私たちの経営です」
(林 新二郎副社長)

確かに1年でみると横ばいかもしれませんが、それが何年も続くと考えると…
1年の売上、利益で見るのか?
それとも持続可能=永続価値で売上、利益を見るのか?
時間軸で目標を遠くに、そして範囲を広く掲げることで、ものの見え方、常識が変わって見えます。
時間軸を遠くへ遠くへ。範囲を広く広く。これでものごとを考えてみたいと思いました。
儲からない、手間に見えることが実は永続価値を生む。
時間をかけて一つ一つ積み上げてきたものは、他社はマネできない。追いつけない。
そんなことに気づかせてもらいました。

「50年以上の時間軸と広範囲で、自社のビジネスを考えてみる」

それではまた。
Mauruuru