価格の誘引力に気づいていますか?

Ia ora na!
価格には誘引力があると思いませんか?
安いものには安さを嗜好するお客が、高いものには高級なものを嗜好するお客が誘引されていきます。
価格設定によって、集まる客層の顔ぶれが変わるということ。
言い換えれば、自分たちで付けたその値段が、今のお客を集めているのです。
これを意識して、ビジネスを組み立てていくことが大事です。特に、BtoCでは絶対です。

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消費には、いくつかの種類があります。
著書「絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます(石原明著)」では、以下の4つのパターンが示されています。
・「安いから買う」
・「高いから買う」
・「モノではなくコトを買う」
・「自分らしさを買う」

「安いから買う」
値段の安さを判断基準に買うか買わないかを決めるパターンです。
経済学でいうところの需要曲線がこれですね。値段が下がれば多く売れるという考え。
相場や他社と比べて安いかどうか?値段が価値となっています。
安さを購買基準にする消費者が集まってきます。
しかし、一歩間違えれば、安かろう悪かろうとなるリスクがあります。

「高いから買う」
値段の高さに、安心感、信頼をおいて買うパターンです。
おもしろいのは、安いから買うという消費者と全く逆のタイプ。高ければ高いほど、安心感、信頼が増し、高いものを志向し選択していきます。
安いから売れるのではなく、高いから売れるのです。
値段よりも価値を購買基準にする消費者が集まってきます。

「モノではなくコトを買う」
モノを買うのではなく、そのモノを通して得られる体験を買うパターンです。
モノが目的ではないので、「安いから買う」という価値観がまったくありません。
得られる体験が得難いものであればあるほど価格は上がりますが、買います。
モノが行き渡った成熟社会の中で体験の得難さを購買基準にする消費者が集まってきます。

「自分らしさを買う」
商品やサービスを買うのではなく、自分の生き方や主義にお金を費やすパターンです。
お気に入りの店、一流シェフやソムリエ、職人の手作り、高級ブランド・・・
自分が特別であることを感じたい、自分の世界を形作りたいというニーズ。
極端な話、そこには値段の上限はありません。富裕層が集まってきます。

このように、消費者によって、または同じ人でも買う物、時と場合によって、価格に対しての判断基準は変わります。
しかし、供給側でこの認識を持っている企業は多くありません。
ほとんどが、原価積み上げ方式の価格設定。全部原価計算、コストダウン思考の呪縛です。
「いいものを安く売る」ものづくり全盛時代の思考が色濃く染み付いています。
だから、いまだにデフレを脱却できない。値段を下げることばかりに意識がいっています。
反対に、一部の少数の優秀な経営者はこの違いに気づき、ビジネスを一気に飛躍させています。
中小企業は、「安いから買う」パターンで勝負してはいけません。絶対に勝てません。
ぜひ価格設定を戦略的に考え、どんなお客様を集めるか?設計してみましょう。

「あなたの商品の価格は、どんなお客を集めていますか?」

それではまた。
Mauruuru