在庫を削減した!それなのに…

Ia ora na!
あるクライアントの経営会議でのこと。
今年度はコロナ禍でPQ(売上高)を伸ばすことは難しいと考え、膨れ上がった在庫の削減によって収益性を確保しようと作戦を立てていました。
その結果、
「11ヶ月経過で在庫が期首より80百万円削減、20%以上も減らすことができました!」
みんなの頑張りで計画をやり切り、さぞかし収益性が改善できたと思い試算表を見てみると、
「えっ!!!」
衝撃的な数字となっていました。

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なんと粗利率が前年度比で2ポイントも下落していたのです。
「PQ(売上)が落ちている中で、粗利率までもが!?」
試算表の数字から、MQ(限界利益)を算出してみると、
粗利率と同様、m率(限界利益率)も前年度と比べて悪化していました。
※(ここで言う)MQ=PQ(売上高)ーVQ(変動費:材料費、外注費、商品仕入れ、在庫増減)
※m%=MQ/PQ*100

社長:「どうなっているんだ!?大幅に在庫を減らしたのに、収益性は上がるどころか悪化しているじゃないか?」
私:「社長、試算表は財務会計上の利益であり、本当の利益ではありません」
社長:「???」
私:「在庫削減によりキャッシュインフローは大きく増加し、商品別分析でもm率は大幅に改善しています。収益は確実によくなっています」
社長:「?????」

 
試算表では数字が悪化しているのに、実際はよくなっている?
どういうことかというと、財務会計上の計算方法では、実際の商品の収益性とはまったく関係なく、在庫金額が減少すると粗利率、m%は悪化するのです。
でも実際は、在庫削減により会社のキャッシュフローは大幅に改善しています(お金が増えています)。

こう説明しても、よくわかりませんよね。
私もサラリーマン時代、ずーっと違和感を持っていました。
(MGを学んで、やっと理解できました!!)


結論だけをいうと、
試算表、決算書では収益性はわかりません!
試算表、決算書からは、本当のMQ(限界利益)は求められません!
だから、試算表、決算書で儲かっているかどうかの判断をしてはいけません!
ということです。

そもそも試算表、決算書は、税金計算のためのツール。財務会計のための資料。
経営の意思決定のための資料ではありません。
経営で間違った意思決定をしないためにも、ぜひこのことを知ってください。

もっと深く勉強したいと思われた方、ぜひMG(マネジメントゲーム)を受講ください。
それが一番の近道です。

それではまた。
Mauruuru

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