FCによる誤った意思決定(その2)在庫と収益性の関係

Ia ora na!
以前お伝えしたFC:全部原価計算による誤った意思決定。
今回はその第二弾。在庫と収益性の関係についてです。
今日のお客様での会議で問題が起こりました・・・

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前回の記事はこちら↓

ko-manage.hatenablog.com

 

今日、製造業のお客様の経営会議での一場面。
限界利益率が悪化している。前年度と比較して▲2.0ポイントとなっている」
限界利益率を上げようと取り組んできたのに、どうなっているのか?」
「自分たちの感覚とは全く違う結果になっている」
この後、一般的な会社のお決まりパターンでいけば、
・売上を上げる
変動費をコストダウンする
・固定費を下げる
・最後は根性
という対策に進んでいきます。

しかし、今回はそうはなりませんでした。
「今見ている経営資料(限界利益率を算出した元データ)は、試算表(財務会計:FC)の数字を無理やり使って求めたもの。そのため、仕掛品、製品の在庫変動を変動費に放り込んでいます(エセDC:直接原価計算)。その影響によって限界利益率が悪化した(ように見える)のです」
「大きな要因は、在庫削減です。在庫削減活動を進めてきた結果、期首より70百万円以上削減できています。これが影響しています」
「販売実績データ(真のDC)から分析すると、“実際の”限界利益率は前年度比で+3.5ポイントも改善しています」
「これまで取り組んできたことは間違っていません。キャッシュフローも大きな改善が見えます。このままさらに進めていきましょう!」

簡単にいうと、実際の収益性( 限界利益率)は大幅に向上、在庫も大幅に削減できているのに、試算表の数字で見ると収益性が悪化しているという、おかしな事態になっているのです。

在庫を削減する(良いことなのに)→利益率が下がる
在庫が過剰となる(悪いことなのに)→利益率が上がる
これだと、売上は変わらないのに、在庫を増やせば利益が増えるといった利益操作もできてしまう!?
FCで計算された試算表、決算書の数字ではこのようになるのです。
この事実を知ったら、あなたはFCで意思決定することが恐くないですか?

MG(マネジメントゲーム)を開発した西順一郎先生は、これを受けて、「FC(全部原価計算)は『吾輩は猫である』的な文学であり、DC(直接原価計算)は科学である」とおっしゃっています。文学では意思決定できませんよね。

そもそもFCをベースにした財務会計の目的は、外部利害関係者への報告目的で行われる会計であり、代表例で言えば税務署用です。経営目的ではないのです。
あなたは、そのような試算表、決算書で経営の意思決定をしていませんか?
科学的な数字をもとに意思決定する会社と、文学的な数字をもとに意思決定する会社、どちらがうまく経営ができると思いますか?
答えは明らかです!

「在庫変動の影響を受ける文学で、意思決定をしていませんか?」

このカラクリ、ちょっと難しい話だったと思います。専門家でもきちんと理解できている人は少ないかも?
ですが、MGを受講していただくとすぐに理解できるようになります。
ご興味がある方はぜひ!
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株式会社小島マネジメント |Seminar


それではまた。
Mauruuru

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