収益性と安全性の関係(悪化パターン)

Ia ora na!
収益性と安全性、経営においてはどちらも重要な視点ですが、それぞれがどう影響し合っているのか?は、ちょっとわかりにくいもの。
今回は、これについて整理したいと思います。

収益性とは、PL(損益計算書)に関するもので、一言で言うと、儲けの指標です。
安全性とは、BS(貸借対照表)に関するもので、支払い能力ないし資金繰りの能力を見る指標です。
それぞれがどう影響し合っているのか?
ここでは、売上が減少した場合と売上が増加した場合の2パターンで見てみましょう。

1.売上が減少した場合
売上が減少すると、人件費や経費など固定費の支出負担が重くなり、補填のための資金需要が高まります。
これを借入で賄うと、資本構成が悪化して自己資本比率が低下、安全性が悪化します。
そして、借入増による支払利息の増加から経常利益も圧迫されます。
売上低下と固定費負担増、支払利息増加で経常利益は低下して収益性が悪化します。

f:id:ko-manage:20211104143815p:plain2.売上が増加した場合
売上が減少した場合は、収益性、安全性が悪化するのはイメージしやすいと思いますが、売上が増加した場合でも起こります。このケースは、ベンチャー企業などの成長過程や売上至上主義による拡大過程にありがちなパターンです。
それでは見てみましょう。
売上が増加して売上債権が増え、運転資金が不足します。
さらに在庫投資も増え、ここでも運転資金が不足します。
また、売上は増加しますが、薄利多売でマージンの少ない事業構造であれば、固定費支出の増加から資金需要が増えます。
これらの資金需要を借入で賄うと、資本構成が悪化して自己資本比率が低下、安全性が悪化します。
そして、借入増による支払利息の増加から経常利益も圧迫されます。

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この悪化パターン、因果関係を知っておくことが大事ですね。
その上で、自社のどこを改善すべきかを検討します。
経営は動態的、まさに原因と結果のストーリーがあるわけです。

それではまた。
Mauruuru

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