科学と直観を兼ね備えた経営分析手法

Ia ora na!
前々回、前回のブログで、予見の能力と財務分析について書きました。
ポイントを整理すると、
・リーダーに求められるのは、「予見の能力」。これは、知識と科学、それに直観。
・財務分析は部分最適で弊害がある。

予見するためには、知識と科学を駆使して分析することが必要。でも、財務分析は部分最適で使えない。
それでは、予見の能力(直観力)を高めるために、一体どんな分析(知識と科学)をすればいいのか?
それに対する、一つの解があります。
それは・・・。

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それは、「利益感度分析」です。
利益感度分析とは、利益の増減に関係する経営要素の変化が、最終目的である利益の増減に対して、どの程度の影響を与えるか?を分析するものです。
経営要素とは、P(価格)、V(変動費)、Q(販売数量)、F(固定費)の4要素です。それらが、G(利益)の増減にどう影響するかを分析します。
定量的、体系的、連動的に捉えて分析し、どの部分(ボトルネック)に焦点を絞って、経営資源(ヒト、モノ、カネ)を投入すべきか、またはプロセスをどう組み直したら利益の増大が図れるかを意思決定します。

この分析の良いところは、たくさんあります。

ひとつは、インプットープロセスーアウトプットのシステム全体を分析している点です。
財務分析はアウトプット(結果)の数字を分析しているのに対し、利益感度分析はインプット(投入:経営要素)ープロセスがアウトプットにどう影響するか、因果関係を分析しています。

ひとつは、ボトルネックを明確に示してくれる点です。
「こっちの指標も、あっちの指標も・・・」の財務分析と違って、優先順位を定量的に示し、自社の事業構造のボトルネックがどこなのか?がわかります。
また、財務分析は期間比較、他社比較、業界比較であるのに対し、利益感度分析は自社の経営要素間の比較のため、経営の意思決定、行動に直結します。

ひとつは、戦略的分析、戦術的分析のどちらにも使える点です。
経営者が経営戦略を立てるために使うのはもちろん、営業、製造、業務等が戦術を立てる場面でも活用できます。

ひとつは、直観的にわかる点です。
一度学べば、計算しなくても、直観的にわかるようになります。
「感度」「感性」が磨かれる。ものごとの本質を見抜く力が養われ、正しく、しかも直ちに反応して、対処できる能力が身につきます。

ひとつは、経営者だけでなく、幹部、それに現場第一線の社員に至るまで、全員が簡単に身につけることができ、利益感度の高い組織集団をつくることができる点です。
利益感度が高い組織集団は、たとえ不況の最中でも、全員で創意工夫や改善の積み重ねができ、成長していきます。
反対に、利益感度の低いところは、頑張っても頑張ってもなかなか結果につながりません。
「実力の差」は、個人の能力の差ではなく、こういったところから生じていくのです。

どうですか?
利益感度分析、すごいですよね。
私も初めて知った時、「これだ!」と思い、今でも仕事で多用しています。
この具体的なやり方や使い方、活用事例については、今度のうどん県MG(4/24(土)−25(日)開催)の中でじっくりお伝えしますので、参加される方はぜひ楽しみにしていてください。

「利益感度分析は、科学と直観を兼ね備えた経営分析手法。全社員で学ぼう!」

それではまた。
Mauruuru

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