蒸発する雲で対立を解消!? 農家の事例

Ia ora na!
ビジネスに限らず、日常で意見が対立することってよくありますよね。
そんな時、妥協したり、強制したり、どっちつかずだったり・・・。
いずれにしても、モヤモヤした気持ちになりますよね。
そのモヤモヤを解消する、ブレークスルーできる方法があるんです。
TOCの思考プロセスで使うフレームワーク「蒸発する雲(Evaporating Cloud)」。
それって、一体どんなものか?


2012年にご支援した農家のお話。
近隣農家を取りまとめているリーダー的存在の方からご相談をいただきました。
このリーダーは、ある野菜のトップ農家であり、栽培ノウハウはもちろん、多くの販路、新商品開発力をお持ちでした。
収穫量を増やすため、近隣農家にも呼びかけ、栽培してもらい、みんなで豊かになろうと一生懸命頑張っていました。

ある時、問題が発生!!
生産されるものの品種に偏りがあり、また数量もまちまちで、お客様が要求する品種、数量を確保できないという事態が起きてしまいました。
リーダーは、近隣の農家に協力を要請しましたが、一向に解決しません。
このままではお客様の満足を満たすことができず、せっかく確保してきた販路を失ってしまいます。どうしたらいいのか?
そんなこんなで、私のところに相談がありました。
そこで私は、「蒸発する雲(クラウド)」を使って、問題を整理してみました。
当時作成したものがこれです。


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みんな、「A:幸せな人生を送る」という共通目的を持っています。個々の農家がグループとなって協力してこの目的を達成しようと考えており、全員一致しています。
当然、幸せな人生を送るためには、「B:自分の生活を豊かにする」という主張要望があります。そして、そのためには、「D:自分だけで頑張って生産する」という行動になります。
一方で、幸せな人生を送るためには、「C:お客様を満足させる」という主張要望があります。そして、そのためには、「D’:組織的に生産して、お客様の要求品種、品質、数量を絶えず満たさなければならない」という行動が求められます。

共通目的Aは全員一致しているのに、最終的な行動では対立してしまい、Dという行動となっている。
なぜ、この対立が起きてしまっているのか?
分析してみると、原因は「買い取り制度」にあることが判明しました。
個々の農家は、収穫量に比例して収入が増えるので、作りやすいものをたくさん作って買い取ってもらおうという行動になっていたのです。
それにより、ある品種に偏ってしまったのです。
そこで、この買い取り制度を見直し、個々ではなくグループで協力してお客様を満足させられるような制度設計になるようアドバイスしました。
そうすることで、Bの主張要望もCの主張要望も同時に達成することができるようになったのです!!

このように、対立の構造を見える化すると、なぜこの対立が起きてしまったのか?ブレークスルーできないか?が見えてきます。
今週末のTOCセミナーでは、これを具体的に活用できるようになっていただきます。
ご参加いただく方は、ぜひ楽しみにしていてください。

それではまた。
Mauruuru

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