Ia ora na!
人は、ややもすると、やらなければならないことより、安易にやれることを進めがち。
しかし、経営者の意思決定において、これはとても危険です。
今回は、そんなお話。
ある中小企業でのこと。
売上が下げ止まりません。コロナ禍になって、この傾向はさらに激しくなり、いまだに下落し続けています。
これに対し、社長は、日々、提案や見積もりといった営業活動をしていると言います。そして、少しずつ埋めていこうとしていますが、一向に改善の兆しが見えません。
どうしてでしょうか?
売上の移動平均グラフを作ってみました。
そして、そこに全社とある得意先のグラフを重ねてみました。
すると、2つの線グラフはほぼ同じ動きをしていました。
そう、売上下落は、この得意先が主原因だったのです。
この得意先(以下、S社)、実はこの会社にとっては一番の上得意先。売上金額、利益率とも最上位の会社です。S社一社の変化が業績へ多大な影響を与えるのも当然です。
このことは、以前からわかっていました。
しかし、いつになっても手が打てていない。
なぜか?
それは、社長が「やれること」を中心に進めてしまっているからです。
話があるお客様、声がかかったお客様、行きやすいお客様・・・こういった得意先を中心に営業活動をする。
そして、主原因であるS社に対しては、「〇〇の落ち込みが大きい」といった先方の話を聞いただけで、仕方がないとあきらめてしまっているのです。
大切なことは、「やらなければならないことをやる」。
今回の場合は、「S社の売上を何としても取り戻す!!」
社長自ら何度もS社を訪問し、下落し続けている原因を徹底的に把握しなければなりません。そして、代替案を考えて、粘り強く提案し続けなければなりません。
他の得意先であればここまでこだわりませんが、S社だけは絶対に落としてはいけない、そういった先なのです。経営の最優先課題です。
人は、どうしてもやらなければならないことよりも、安易にやれることを優先しがち。
社員がそのような行動をしていたら、強い信念と戦略でそれを制するのが経営者の役目。
やらなければならないことをやる!
上記の社長も、それに気づき、行動変容してくれるものと期待しています。
それではまた。
Mauruuru