利益率の呪縛〜利益率で間違った意思決定をしていませんか?〜

Ia ora na!
中小企業、特に製造業で多く見受けられることなのですが、「利益率で意思決定をする」というものがあります。
これは一見、正しいように思われます。
しかし、利益率の高いことが会社全体の利益を大きくするとは限らないことも・・・。

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m率:限界利益

ある金属加工屋さんの話。
利益率を高める判断から、すべて内製化、自前主義で行っていました。
得意先にも恵まれ、受注は好調です。
当然、限界利益率(付加価値率)は業界平均より高い。
さぞかし儲かっていることと思いきや、経常利益はちょっと黒字程度で、あまり儲かっていません。
現場はどうかと言うと、みんな疲れ切っていて、元気がない。
仕事はあるので、社長が利益を増やそうと受注を取ろうとするもんなら、現場からは「これ以上は無理」と文句が出る始末。

このような中小企業は、結構あります。
利益率は高いのに、利益が少ない。なぜ?
その原因は、「中(社内)でやらないと儲からない、外(外注)に出すのはもったいない」といった考え方、利益率の呪縛です。
利益率にこだわるがあまり、増大する仕事を無理やり社内だけでこなそうとする。
これが間違った意思決定に陥ってしまうことがあるのです。
本来、正しい判断をするために、(「中でやらないと儲からない」といった)感覚ではなく、正しい計算ができなければなりません。計算と言っても、そんなに難しいものではありません。その上で、利益率が高ければ良いとするのではなくて、「会社全体でどうなるか?」を考えなければならないのです。

今回の事例含めて、利益率にこだわって間違った判断に陥りやすい場合は、以下の3点です。
①増大する売上を外注で賄うとき(今回の事例)
②閑散期に低い限界利益率で販売するとき
③値下げ(Pダウン)によって大幅な売上増大(Qアップ)が見込めるとき

利益率は高い方が良いです。
しかし、率にこだわるばかりに、額を見失ってはいけません。
「率より額」「部分より全体」
正しい計算をして、意思決定しましょう。

それではまた。
Mauruuru

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