業務プロセス改善「昔からやっていたから・・・」

Ia ora na!
今日は、「業務プロセスの見直し」についてです。

一昨日、クライアント先で、経理部門の業務改善を開始しました。
背景は、ある会社から「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション」導入の提案があり、それについて社長から相談を受けたことがきっかけです。常々、経理部門の生産性に疑問を持っていた社長は、この提案を機に何とかしたいと考えていました。

そこで私は、まず現状を分析させてくださいとお願いしました。
担当者5人に集まっていただき、経理業務の現状を整理してみると、2つの問題点が見えてきました。
1つは、手書き帳票類の多さ。
1つは、各種資料と転記の多さ。

今回はまず、手書き帳票類の多さにメスを入れることにしました。
現在の業務の流れを書き出し、その帳票類がどのように使われているのかを確認してみると・・・
「ん?」
「この帳票、必要ないんじゃない?」

必要なデータはすべて社内システムの中に入力されており、その上で手書きして起票していることが判明。
製造部門の担当者も集めて、何のために行っているかを確認してみると、無くても問題なく、社内システムで代用可能であることがわかりました!!
2時間足らずの会議で、長年の問題が一気に解決してしまいました。
これにより、製造部門担当者の毎日2時間、経理部門担当者の締日6時間の時間が捻出できました。
また、仕入先に専用帳票類を購入して手書きしてもらっていたことも廃止でき、負担を軽減することができました。
この改善効果は非常に大きいものとなりました。

整理してみれば、当たり前、単純なことなのですが、何で今の今まで解決できずにいたのか?
「昔からやっていたから・・・」
「後工程で必要だと思っていた」
「前工程でできないと思っていた」
これは、誰が悪い訳ではなく、分業化の弊害です。
効率を目指して行われた分業化、作業分担が、いつしか作業すること自体が目的化してしまい、「何のために行っているのか?」誰も分からなくなってしまっている。
さらに、仕事の環境に変化があったり、担当者が変わったりすると、ますます全体像を把握している人がいなくなる。
そして、システムを導入するなどの新しいことを追加していくことは容易に意思決定できるのだが、今までやっていたことをやめるという意思決定はなかなかできずにそのまま放置され、いつしか現場担当者は作業が増え負担が重くなっていくばかり・・・

担当者はとても一生懸命仕事をしています。
しかし、組織目的からすると、ムダな作業をさせてしまっているのです。
組織の中では、こういうことが多々見受けられます。

それを防止するためには、定期的に業務の見直しをしなければならない。それも部門間を越えて行わなければならない。
こんなことを気づかせてもらった事例でした。
次は、各種資料と転記の多さにもメスを入れていきます。

「定期的に業務の見直しを行い、やめることを意思決定しているか?」

それでは、また。
Mauruuru