コンビニの地域密着への戦略転換

Ia ora na!
コンビニエンスストアの成長が行き詰まり、初の店舗数減少となっています。

2019年度では5万8250店で、18年度比0.5%減。
各社は画一的な売り場から脱し、「地域密着」の店作りを急いでいるとのこと。
生鮮販売を巡ってはドラッグストアも力を入れており、スーパーも含めた競合は激しさを増しそうです。
(引用:日経MJ2020年8月26日号)

地域密着は多くの小売業の合言葉になっていますが、品揃えの変更レベルに止まっているように思われます。それはなぜか?

そもそも戦略を転換するには、経営資源(ヒト、モノ、カネ)を転換しなければ実現しません。
戦略の方向性は、大きく3つに分類されます。
①手軽軸:早い、安い、便利
②商品軸:最高・最新の商品・サービスの品質
③密着軸:自分をよく知り、自分だけのニーズに応えてくれる
上記分類は、佐藤義典氏が整理したものです。
私は佐藤義典氏の大ファンで、書籍やセミナーを受講してマーケティングを勉強させていただきました。
上記の戦略パターンのどれかで差別化を図ろうとする時、それを実現するための独自の経営資源が必要になります。それぞれの戦略に必要な独自資源は、一言で言うと、
①手軽軸:効率化されたオペレーション
②商品軸:開発力
③密着軸:顧客との関係性
これらの独自資源は全く別物であり、一朝一夕で手に入れられるものではありません。時間をかけて蓄積していくものです。また、ハード面だけでなく、組織・文化等のソフト面にも影響を及ぼします。

これまで①手軽軸で作り上げてきたビジネスモデルを③密着軸に転換しようとしても、独自資源がない。そのため、表面的な品揃えの変更レベルで止まってしまうのです。
新聞記事には、「これまで以上に問われるのが、フランチャイズチェーン(FC)加盟店オーナーの創意工夫」と書かれています。個々の加盟店のオーナーがどれだけ密着軸の独自資源を蓄積し、差別化できるか?これまでの規模の経済、スケールメリットではなく、個々のオーナーの力量での勝負になっていくということです。
今後、多くの小売業が地域密着の方向性でくるならば、差別化はどれだけ深く地域密着できるか?その独自資源の濃淡がポイントになりそうです。
今後の動向を見ていきたいと思います。

「差別化軸に合わせた独自資源を蓄積しているか?」

それではまた。
Mauruuru