製造能力という強みを再認識しよう!!

Ia ora na!
“製造能力”って、実はすごい強みなんです。今日はそんな話を。

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今日の日経MJの一面で取り上げられていたのは、ホームセンターのカインズや作業着のワークマンを傘下におくベイシアグループ。
グループ売上高1兆円達成だそうです。すごい成長ですね。
強みは創業者の時代から徹底する「安さと商品力」。さらに自主性を重んじる専門店集団という組織運営方法。

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日経MJ2020年12月16日号

記事の中で、「ディスカウントビジネス」について語られている内容が印象に残りました。
以下、土屋裕雅カインズ会長の言葉です(日経MJ2020/12/16より引用)。
「ディスカウントビジネスという言葉の解釈は時代とともに変わります。よそで100円で売られている同じお茶が50円で売れるのは相対的な安さです。ですが、世の中にない価値あるものを作ってそこそこの値段で売れるならばそれは絶対的な価値になる。『より良いものをより安く』と言っていいと思っています」

「相対的な安さ」と「絶対的な価値」。
ベイシアグループは、絶対的な価値を目指しています。
それを実現化させているのが、SPA(製造小売)というビジネスモデルです。
代表格のワークマンでは、「15年3月期から20年までで売上高は約2倍の1220億円、PB(プライベートブランド)比率は18年に32%だったのが、22年には60%に達する見込み」(日経MJ

SPAとは、Speciality store retailer of Private label Apparelの略。日本語では製造小売と訳されています。
アパレル分野を中心に、企業が商品の製造から販売までを一貫して行うビジネスモデルで、「自社で製造したモノを自社で販売する」直販型の形態です。
代表例は、ユニクロ、GAP、H&M、ZARAなど。
最近では、アパレルではない家具・ホームファニシング分野のニトリでも、SPAモデルと言っています。
SPAの主な特徴は、以下の2点です。
・ニーズやトレンドを反映したスピーディーな商品提供
・流通の中抜きでコスト削減、利益率向上
今、成長している企業はこのSPAモデルがベースとなっているということですね。

SPAモデルのビジネスフローを考えた時に、「作る」工程がボトルネックになりやすいと思われます。
いくら良い商品企画があっても、モノを作れなければ実現できません。
モノを作るには、人、設備といったハードと、技術、仕組みといったソフトが必要です。これらは多くのF(固定費)と投資がかかり、お金と時間の蓄積の上に成り立っています。簡単に手に入れられるものではありません。
国レベルでいえば、先進国と発展途上国の違いは、この製造能力、供給能力の差です。

どうですか?こうやって見てみると、いかに製造能力の価値、強みを再認識していただけたのではないでしょうか?
ですが、これまでの多くのSPAモデルは、製造能力を持っていなかった小売専門店発がほとんど。製造業発のモデルはあまり聞きません。
なぜ製造業発が生まれてこないのか?
それは、製造業がお客様のことを全くといっていいほど見てこなかったため。
そのため、「何を作っていいのかわからない」。
逆に、ここさえクリアできれば、実は製造業発のSPAモデルが最強のビジネスモデルではないか?と私は考えています。
すでに保有している製造能力は最強の武器。
さらに、既存ビジネスで一定の収益を上げているので、新たにSPAモデルにチャレンジしてもそれ程多くのQ(販売数量)は必要ありません。小売専門店ほど損益分岐点Qは高くないのです。だから、いろいろ挑戦できる。
中小企業製造業が挑戦すべき新たなモデル、それはメーカー発のSPAモデルです。
ぜひ挑戦しましょう!!

それではまた。
Mauruuru